ネットワークの状態を音で表現する技術の開発にカナダの研究機関が取り組んでいる。実現すれば、ITシステム管理者はBGMのように音楽を聴きながら、ネットワークの状態を監視・把握できるという。カナダのSheridan College Institute of Technology and Advanced Learningの応用コンピュータ・エンジニア科学校が2月3日(現地時間)、一般に公開した。
「Information Music(iSIC)」と名付けているもので、ネットワーク情報を調、和音、音階、速度などの音楽の変数に変換して、音楽を作成する。データを音楽に変換する“Sonification”という技術を応用した。IT管理者はこれを聴くことで、ネットワークの状態を監視でき、異常を察知できるという。
iSICは人間の音に対する無意識の注意力を利用する。iSICが作りだす音楽は、普通の人の耳にはクラッシック音楽のように響く。だが、訓練を受けたIT管理者であれば、普段はBGMのように聞き流し、異常があったときは音から察知することができるという。
同プロジェクトのWebサイトでは、既存のネットワーク監視システムは複雑で、十分に利用されておらず、情報をプロアクティブに伝える仕組みが欠けていたと指摘している。また、同技術は補完的技術であって、既存の作業を置き換えるものではないとも説明している。
同校は2003年よりコンピュータと音楽に関する研究を開始し、2004年にiSCIとしてプロジェクトを立ち上げた。現在、同校のIT部門でフィールド実験を行っているという。
■ URL
Sheridan College Institute of Technology and Advanced Learningの応用コンピュータ・エンジニア科学校
http://www.sheridanc.on.ca/academic/computing/teletech/
Information MusicプロジェクトのWebサイト
http://www.soundtomind.com/
( Infostand )
2006/02/10 08:44
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