NTTデータ、垂直統合型サーバー「Lindacloud」を組み合わせたシンクライアントソリューション


 株式会社NTTデータは20日、ハードウェア・ソフトウェア一体型の垂直統合型サーバー「Lindacloud(リンダクラウド)」を組み合わせ、企業全体で利用可能なシンクライアント基盤を実現したと発表した。

 Lindacloudは、独自開発した省電力・低排熱のハードウェアに、用途に応じたソフトウェアをプリインストールして提供する一体型サーバー。NTTデータではこれまで、「Lindacloud for ThinClient」「Lindacloud for NAS」「Lindacloud for Hadoop」などのラインアップを提供してきたが、部門単位ではなく企業単位でのシンクライアント、ファイルストレージ導入が増加しており、従来のLindacloud個別製品単体では対応できない要件が増えてきていたという。

 そこで同社では、企業規模の導入時に考慮しなければならないセキュリティ対策、運用のしやすさなどの必要機能を整理し、その機能を前記のLindacloud各製品に分担させることにより、企業全体で利用可能なシンクライアント基盤を実現した。

 この基盤ソリューションでは、ターミナルサーバー方式と仮想PC方式を併用することにより、サポート切れのWebブラウザ環境、特殊なクライアント/サーバー型業務アプリケーションなど、複雑な端末環境をコストバランスよくシンクライアント化可能。バラバラだった端末を統合するとともに、OSやソフトウェアのバージョンアップも容易になるため、維持・運用コストの削減も期待できる。

 また、ユーザーが意識することなく、社内用/社外用に用意されたWeb閲覧環境を、1台の端末で自動的に切り替えて利用できるため、標的型攻撃やマルウェアに対するセキュリティを確保できるとのこと。さらに、Web経由で社外へファイル送信する際の事前承認機能、全端末環境のOS・ソフトウェアの一括更新機能も搭載した。さらには、OS、アプリケーションの一斉配信機能、端末の初期セットアップ、故障復旧を簡易にする仕組みなど、運用管理者の手間を軽減する仕組みも盛り込まれている。

 あわせて、サーバーを共有する人数を少人数に抑える、管理機能をサーバーごとに分けて配置するといった構成によって、故障時でも業務への影響範囲を局所する工夫がなされているほか、ファイルサーバーについても、データを常に三重化して保持しているので、サーバーが同時に2台故障してもデータは失われないとしている。

 なおNTTデータによれば、このソリューションは、すでに金融機関での採用が決まっているとのことで、今後もさらなる展開を目指す意向だ。


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