SAPジャパン、HANAを大幅強化~PB級の非圧縮生データを処理可能に


 SAPジャパン株式会社は22日、1ペタバイト(PB)の非圧縮生データを処理可能な世界最大級のインメモリクラスタを実装するSAP HANAプラットフォームの大幅強化を発表した。併せて、アプリケーション開発者向け新機能として、アプリケーションサーバー機能をSAP HANAに直接組み込んだ。

 世界最大級のインメモリクラスタを持ち極めて大きな拡張性を備えるSAP HANAは、高速なリアルタイムの応答を維持しながら、大規模なデータセットを処理することが可能。その規模は100ノード、100TBのインメモリシステムであり、1兆2000億レコードに相当する1PBの非圧縮生データを保持できる。これは1日平均3億2800万回のトランザクションを処理する大企業の約10年分に相当するという。

 併せて、SAP HANA上のカスタムアプリケーション開発向け機能を拡張し、SAP HANA Studioを強化。新しく拡張されたアプリケーションサービスが、アプリケーションサーバーの機能をサービスとして提供され、SAP HANA内に組み込まれることになる。

 この機能強化により開発者は、統合開発環境(IDE)を使って、データ処理にはSQLScript、ロジック制御にはJavaScript、およびユーザーインターフェイス表示にはHTML5を、同じツールセットを使用して開発できる。

 SAP HANA Studioには今後、モデリングとデバッグ作業の際の使いやすさの改善、および新チーム開発環境によるコラボレーション機能が搭載される予定。また、リポジトリ用のブラウザ、プロジェクト・エクスプローラー機能、およびSAP HANA内においてネイティブなソースコード・リポジトリの追加も計画されている。

 なお、SAP HANAにおけるアプリケーションサービスの拡張は、ODATA、ATOM、JSON、XML、XMLAなど新しく利用可能になったデータアクセスサービスを経由してサービスとして提供する予定とのこと。

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