シマンテック、モバイルアプリ管理ソリューション「Symantec App Center」

アプリやファイルごとにポリシーを適用可能


 株式会社シマンテックは16日、モバイルアプリ管理(MAM)ソリューション「Symantec App Center」を発表した。


独自のラッピング技術を採用

 Symantec App Centerは、モバイル内にあるアプリやコンテンツを独自技術で「ラッピング」――包み込むことで、デバイス単位ではなくアプリやコンテンツ単位でポリシー適用を可能にするクラウド型ソリューション。ラッピングした“皮”にポリシー設定するため、データそのものに変更を加えることなくポリシーを適用できるのが特長となる。

Symantec App Centerの概要独自の“ラッピング技術”でアプリやコンテンツごとにポリシー適用可能に

 「従来のサンドボックス型ソリューションと異なり、アプリ自体に変更を加えず保護を拡張できるため、IT担当者は自社開発アプリからWebアプリまで再コンパイルの必要なく、これらのポリシーを適用できる」と、プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャーの金野隆氏。このため、頻繁に更新されるようなサードパーティのアプリも安心・安全に活用できるという。また、ラッピング技術を採用することで、モバイルデバイス側にエージェントが不要なのも特長。

 適用できるポリシーは、「データの暗号化」「コピー&ペースト防止」「外部アプリとの連携機能」「ユーザー認証要求(パスワード設定)」「オフライン環境でのアクセス可否」「ローカルストレージの使用可否」「Jailbreakされた端末の使用可否」「APIの制限」「ネットワーク接続の制限」「アプリ終了時の消去」など。

 例えば、従業員のモバイルデバイスがマルウェア感染した場合でも、データ暗号化のポリシーが適用されていれば、モバイルデバイス上の情報を解読できる形で許可なく転送される心配がなくなる。また、ユーザー認証要素や編集権限管理、コピー&ペースト防止など、各アプリやコンテンツに対して細かいポリシーを設定することも可能。


企業に関連するデータだけをリモートワイプ可能

クラウド型管理ポータル

 さらにモバイルデバイスの盗難・紛失、または従業員が退職した場合に、企業に関連するデータだけをリモートワイプする機能も備える。企業データと個人データは分離して管理されるため、私用端末の中から企業データのみを選んで遠隔消去できるのだ。一般的なMDMではリモートワイプする場合、端末の情報すべてを初期化する形となる。一方、Symantec App Centerでは上記のようなことが可能なため、「BYOD(私物端末の業務利用)の推進が可能になる」(同氏)としている。

 管理はクラウドポータルを使って行う。アップロードしたアプリやコンテンツにポリシー設定を行い、各端末へ配信するためのもので、各アプリの更新通知や各ユーザーのアプリ利用状況の分析、データの制御や削除などが行える。また、ユーザー・グループ管理機能も備えるため、ユーザー単位や部門単位で端末にダウンロードできるアプリやコンテンツを制限することが可能だ。

 ラインアップはMAM機能を提供する「Standard Edition」と、MDM機能も含めた「Enterprise Edition」の2種類。いずれもクラウド型での提供となる。価格は前者が年額5300円/ユーザー、後者が年額9600円/ユーザー。

 シマンテックではこのほか、オンプレミス版のMDM製品「Symantec Mobile Management」を提供している。Suite製品という位置づけで、こちらはマルウェア対策やデバイス証明書などの機能も備え、より高機能。価格は年額1万500円/ユーザー。クラウド型のSymantec App CenterをSMB向けに、Symantec Mobile Managementをエンタープライズ向けに提供する。

クラウド型とオンプレミス型の製品構成機能一覧
関連情報