日立、バックアップ用ストレージ「Hitachi Capacity Optimization」の重複排除機能を強化

基本性能の向上や圧縮機能によりバックアップ時間も最大4割削減


 株式会社日立製作所(以下、日立)は11日、バックアップ用途向けファイルストレージ「Hitachi Capacity Optimization」を強化すると発表した。搭載する3種類の重複排除(重複除外)モードから、ユーザーが必要要件にあわせて適したものを選択できるようにしている。

 「Hitachi Capacity Optimization」は、重複排除機能によって容量を抑えた効率のよいバックアップを行えるストレージ。従来、重複排除方式としては、すべてのデータをHDDに書き込んだ後で処理を行うことにより、高速なバックアップが可能なポストプロセスモードをサポートしていた。今回はこれに加えて、HDDへのデータ書き込みと同時に重複排除処理を行うインラインモードと、両モードを最適に組み合わせたハイブリッドモードを新たに利用可能にした。ユーザーはこの3種類のモードから、要件にあわせて最適な方式を選択できるという。

 日立によれば、すべてのデータを先にHDDに書き込んでしまうポストプロセスモードは、短時間でバックアップ処理を完了できるため、夜間のバッチ処理などで大量データを一括処理するユーザーや、バックアップ性能を重視するユーザーに適しているとのこと。

 一方でインラインモードでは、ポストプロセスモードに比べると時間がかかるものの、用意するHDD容量を抑えられるので、コストを重視するユーザーに向くという。また、両者の中間であるハイブリッドモードは、性能とコストのバランスのよいバックアップを実現したいユーザーに適するとしている。

 なお今回はこのほか、最新CPUの採用による基本性能の向上や、HDDへの書き込みや重複排除対象となるデータ量の削減が可能となるデータ圧縮機能を搭載したことにより、バックアップ時間を現行モデルより最大4割削減できる。

 さらには、「Hitachi Capacity Optimization」内のデータを、遠隔サイトに設置した同ストレージへ複製するリモートレプリケーション機能を強化。従来は1台同士でのデータ複製のみ対応していたが、このたびの強化により、最大64台から1台へのデータ複製をサポートしている。

 価格は、最大実効容量が77TBの「Hitachi Capacity Optimization 210」で1165万6050円から、同じく384TBの「Hitachi Capacity Optimization 230」で1791万1950円から。なお、リモートレプリケーション機能を利用するには、別途ライセンス費用が発生する。

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