リコー、スマートデバイスやクラウドプリント対応の法人向けプリンター新製品


 株式会社リコーは10月10日、カラープリンター9機種、モノクロプリンター2機種を発売すると発表した。価格はモノクロプリンター2機種が45万8000円、カラープリンターは15万8000円~46万8000円(すべて税別)。

 リコーでは、BYOD(Bring Your Own Device)やノマドワーキングといった言葉に代表される、近年のワークスタイルの変化により、どこでもスキャンしたりプリントしたりといったニーズを考慮。新製品では、クラウド連携やスマートデバイス対応を強化した。リコーのプリンター拡張機能のひとつとしてオプションで提供されているクラウドプリント機能「FlexReleaseCX」に対応。クラウドに保存した文書をどこからでも、またスマートフォンやタブレットからでも印刷ができる。

クラウドプリント機能「FlexReleaseCX」の導入前(左)と導入後(右)のイメージ

 また、人的教育コストまで含めたランニングコストの最小化と業務効率の両立を目指し、4.3インチフルカラータッチパネルを搭載することで複合機と操作性を統一。認証機能連携にも対応した。複合機に集約が進む一方で、部署内に別途プリンターが必要といった場合にも柔軟な配置が行えるよう配慮した。無駄な用紙出力を削減する集約両面印刷機能、プル型印刷機能も備える。

 電力料金値上げ問題もあり、引き続き関心の高い節電機能も強化。カラープリンタ上位機「IPSiO SP C831」はリコー独自の「カラーQSU技術」搭載により、2.19kWhと従来機から約51%消費電力を削減した。また、新製品11機種では光センサー(ECOナイトセンサー)により機器周囲の明るさを検知して、暗い時=オフィスの照明が消えている時には自動的に主電源オフまたはスリープモードに移行。使用していない時の消費電力を低減する。

 セキュリティ面では、印刷物による情報漏えいを防止するため、印刷日時や出力者情報などの情報を強制的に印字することができる。また、印刷データをいったんプリンターに蓄積し、操作パネルで確認してから出力することが可能な「リコー カンタン私書箱プリントAE2(別売)」に対応。印刷物の取り忘れなどによる情報漏えいを防ぐ。本体内蔵HDD内の残存データを上書き消去する機能や、アドレス帳や蓄積文書のデータを暗号化する機能も搭載する。

時代とともに変化する顧客のニーズに対応新製品の位置づけとターゲット市場


カラープリンタ上位機「IPSiO SP C831/C831M/C830/C830M」

 カラープリンタ上位機の「IPSiO SP C831/C831M/C830/C830M」の4機種は、連続プリント速度(A4横・毎分)がC831/C831Mは50ページ、C830/C830Mは40ページ。片面・両面時、フルカラー・モノクロ時でも同速。耐久性ではC831/C831Mは150万ページ、C830/C830Mは120万ページを実現した。

 リコー独自の「カラーQSU技術(DH定着方式)」を採用。定着ベルトにハロゲンヒーターを内蔵し、加熱パイプなしで直接定着ベルトを温めることでスリープモードを従来機比で約56%短縮した。また、従来機に比べ定着温度を約20度下げる低融点トナー「カラーPxP-EQトナー」を採用、消費電力を低減した。

 薄紙(52g/平米)から厚紙(300g/平米)まで幅広い厚さの用紙に対応。普通紙のほか、コート紙、耐水紙、名刺、ラベル紙、長尺POP。はがき、封筒など幅広い用紙に対応する。給紙は標準1260枚、最大5260枚。フィニッシャーを装着することで最大4000枚排紙に対応、中綴じ製本や集約製本にも対応する。

IPSiO SP C831

 

カラープリンタ標準機「iPSiO SP C731/C731M/C730/C730M/C730L」

 描画部に従来のレーザーからLEDの機構を採用するなどで本体サイズを幅481×奥行515×高さ372mm(C730シリーズ、C731シリーズは高さ376mm)に小型化した。

 無線LANと有線LANに標準で対応。IEEE 802.11n/a/b/gに対応。Wi-Fiの簡単設定はWPSに対応する。有線LANはギガビットイーサネットに対応。

 新たに重合トナーを採用し、従来機の粉砕トナーに比べ、トナー分子の大きさが均一化することでトナー分布を均一化。1200×1200dpiの出力解像度と合わせ、高画質を実現した。また、鮮やかな発色のよい印刷が得られる「POP広告モード」を搭載した。

 連続プリント速度(A4横・毎分)はC730Lは28ページ、その他のC730シリーズ、C731シリーズは32ページ。片面・両面時、フルカラー・モノクロ時でも同速。製品寿命は60万ページまたは5年のいずれか早い方となる。

 電源立ち上げ時間は20秒と従来機から約78%短縮。スリープ復帰も10秒と従来機から約87%短縮した。標準消費電力は従来機比約71%短縮した。

iPSiO SP C731

モノクロプリンター「IPSiO SP 8300/8300M」

 8300シリーズは大量出力に対応する高速・高耐久の業務向けモノクロプリンター。連続プリント速度(A4横・毎分)は、片面・両面ともに50ページ。耐久性は、月間最大約5.3万ページ、トータル320万ページに対応。

 用紙は最大1260枚の給紙が可能で、給紙オプション装着時は最大5260枚。ステープルやパンチ、ソートなどのオプションも充実させた。要旨は各種帳票出力などで利用頻度の高い不定形用紙のほか、配送伝票、圧着紙、カード紙などの特殊用紙への出力にも対応する。

 OSはWindows OSのほか、オプションでLinux、UNIX、Macintosh、IBMホスト端末、iOS端末など幅広い端末からの出力に対応。オプション装着で、2つの異なるネットワークからの出力も可能。プリンターと複合機共通で利用できるプリンタードライバー「RPCS Basicドライバー」と多様な用途に幅広く対応可能な「新RPCSドライバー」の両方に対応する。

IPSiO SP 8300

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