立命館アジア太平洋大学、事務情報システムを学内プライベートクラウド化


システムのイメージ

 富士通株式会社は2日、立命館アジア太平洋大学(APU)がプライベートクラウド統合亜パッケージ「Cloud Ready Blocks」を活用し、履修登録や成績処理などの事務情報システム基盤に学内プライベートクラウド環境を追加したと発表した。

 APUの事務情報システム機能の中で、新入生データ登録、オンライン履修登録準備や成績処理などは、学期初めや学期末に一時的に膨大なデータ処理が行われる機能であり、必要な時だけ業務サーバーを配備してシステムを利用している。学生の約半数の2500名が国際学生であるというAPUでは、1年を2学期に分け、それぞれの学期で1つの科目の履修が完結する完全セメスター制を導入しているため、半年周期でこれらの業務を行う必要がある。そのため、一次利用するサーバーやテスト環境の準備作業が頻繁にあり、その作業負荷の軽減が課題となっていた。

 また、現場で日常的に行われる教室管理や施設予約などの職員業務の高度化と効率化、学生・父母へのサービス向上のため、新規システムの追加や機能変更、性能向上等にフレキシブルに対応できるシステム環境整備が要求されていたという。

 今回、繁忙期に利用する一時利用サーバー部分をプライベートクラウド環境に移行。「Cloud Ready Blocks」によって、一時利用サーバーの迅速な割り当てや変更、業務のスムーズな立ち上げ、業務内容変更に伴うICTリソースの柔軟な拡縮を可能にした。

 同製品にはポータルメニューも用意され、利用シーンや要件を入力することで、ICTリソースの申請や変更が可能であり、従来は5日間を要していた一時利用サーバーの配備作業を1日で完了できるようにした。

 併せて、新規に構築したプライベートクラウド環境にWebシステム開発ソリューション「RapidWeb+」を導入して、短期間でシステム化できる、業務アプリ開発基盤を整備した。これを利用すると、Web画面の自動生成機能により、表計算ソフトを使って手作業で管理していた教室管理・施設予約などの事務局業務を、短期間でシステム化することができ、他部門との自動連携や集計なども可能になるという。

 今後、APUではICT活用ニーズ把握、企画、構築、運用、検証のサイクルをさらにスピードアップし、現場に対するタイムリーなサービス提供を行い、事務局業務のさらなる効率化を目指す考え。

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(川島 弘之)
2012/10/3 06:00