KDDI、ブロケードの「VDX 6710/6720」でイーサネット・ファブリックを構築


 ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社(ブロケード)は7日、KDDI株式会社が、Hadoopを利用したサービスログ・プラットフォーム基盤にデータセンタースイッチ「Brocade VDX 6710/6720」を採用したと発表した。KDDIではこれらのスイッチによって、イーサネット・ファブリックを構築しているという。

 KDDIでは従来、ユーザー向けの各種サービス/システムの利用ログ情報を収集・蓄積するサービスログ・プラットフォームを個別に構築していたが、これを1つに統合するとともに、システム構築作業の内製化を進めることでコスト削減を図るプロジェクトを発足。2011年7月から本格的にシステムを検討し始めていた。

 その中核には、すでに別のシステムで実績のあったHadoop分散ファイルシステムを導入することを決定していたため、Hadoop内部でのノード間通信が多くなることによって生じるボトルネックを解消し、データの増加にも柔軟に対応できるネットワークが求められていたという。またシステムの内製化によるコスト削減を実現するため、ネットワークの構築・運用が容易であることも必須条件とされていた。

 こうした条件の中でKDDIでは、マルチパスによる容易な拡張およびリソースの利用率最大化を実現できるため、Hadoop通信におけるネットワークの課題を解決できることなどから、イーサネット・ファブリックに着目。複数ベンダーの製品を比較・検討した結果、ワイヤレートの性能をコンパクトな筐体で実現しており、ポートあたりのコストパフォーマンスに優れること、ファブリック技術で高い実績と明確なロードマップがあることなどを評価して、ブロケードのデータセンタースイッチを採用することにした。

 なおKDDIは2012年3月よりネットワーク構築作業に取り組んでおり、わずか3カ月後の6月には、数十台規模のHadoopサーバーと2台のVDX6720、6台のVDX6710でイーサネット・ファブリックを構築。新しいサービスログ・プラットフォームを正式稼働させたとのこと。内製化により、SI費用を約2割削減できたとしている。

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