ネットワン、自然科学研究機構の100GbEネットワークを構築

PB級の研究データを通信可能に


 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は5日、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 岡崎地区のネットワークシステム「ORION 2011」を受注したと発表した。

 自然科学研究機構は、5つの研究機関から構成される大学共同利用機関法人で、そのうち愛知県岡崎市には基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の3機関があり、それぞれの機関が約2km離れた明大寺地区と山手地区にまたがっている。

 課題としては、研究システムの進展に伴い、取り扱いデータがテラバイト級からペタバイト級に至るまで大容量化しており、拠点間のデータ転送速度の高速化が要求されていた。また、共同研究利用の場であるため、システムやネットワークは外部利用者に広く開かれている必要があり、セキュリティを厳重に確保すると同時に利便性を高める仕組みが必要となっていた。

 構築したORION 2011では、ペタバイト級の研究データを転送するために、明大寺地区と山手地区間の基幹ネットワークを、100GbEモジュールを搭載したブロケード製「Brocade MLXeシリーズ」によって、100ギガビット/秒で接続した。

 また、研究者の利便性とセキュリティ双方を向上するため、各地区内には無線LANを整備すると同時に、日立電線製「Apresiaシリーズ」によってネットワーク認証機能を利用可能とし、動的VLANを実現。場所を問わず自身の所属するネットワークに自動接続できる環境を整えた。

 セキュリティ面では、パロアルト製「PA-5060」によってアプリごとの利用を制御。サーバー群においては、ネットワーク接続認証システムやWebサーバー、DNS、メールサーバーなどを「VMware vSphere」による仮想環境上で稼働させ、ストレージは「EMC VNX 5300」を活用。データの自動階層化などを実現した。

 入札の結果、ネットワンが落札。構築後、2012年3月より本稼働を開始している。

関連情報
(川島 弘之)
2012/7/5 14:07