日本IBM、スパコンの技術を応用したテクニカル・コンピューティング製品群


IBM Technical Computing製品群の「IBM System x iDataPlex dx360 M4」

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は12日、高度な科学技術計算などの計算処理を行うテクニカル・コンピューティングの分野を強化するため、米IBMが買収したPlatform Computingのソフトをはじめとした、「IBM Technical Computing」製品群を提供すると発表した。6月15日より順次出荷開始する。

 IBM Technical Computing製品群は、今回発表するIBM Technical Computing製品群は、2012年1月に買収完了したPlatform Computingのソフトと、HPC機能を拡張した従来の自社ハード、ソフトから構成されるもの。スーパーコンピュータ領域で利用されていた技術を一般の企業でも活用できるようにしており、ビッグデータの高度な分析など、大量のコンピュータ資源や複雑な処理を必要とする業務の効率化、リソースの有効活用を実現するという。

 ユーザー企業はこれを利用することで、複雑な計算処理を高速に行うための最適なシステム環境を構築できるほか、コンピュータ資源を効率的に活用できることから、ハードの性能を最大限利用可能。その結果、ハードの増設、設置スペース、消費電力などを抑えられる点がメリットとした。

 適用例としては例えば、他社よりも早く、市場分析、価格設定、リスク管理など、さまざまで膨大な情報から複合的に判断する必要がある金融取引業務が挙げられており、こうした業務でも、スーパーコンピュータを利用せずに、企業のシステムでテクニカル・コンピューティングを活用できると説明している。

 具体的な製品としては、複雑なアプリケーションのワークロードを管理する「IBM Platform LSF」、グリッド環境での高速処理を実現する「IBM Platform Symphony」、HPC環境でクラスタ管理を行える「IBM Platform Cluster Manager」といったソフトや、GPGPU技術に対応したサーバー「IBM System x iDataPlex dx360 M4」、HPC向け統合ソリューション「IBM Intelligent Cluster」などが提供される。

 概算の価格は、IBM System x iDataPlex dx360 M4の場合、1ノードが42万円(税別)、1ラック構成(84ノード)が3897万円(税別)となっている。

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