イクシア、OpenFlowやIEEE 802.11ac対応のネットワークテスト製品を投入へ~1Gbps超の無線LANにも対応


 イクシアコミュニケーションズ株式会社(以下、イクシア)は31日、OpenFlowネットワーク、ならびに現在規格策定中のIEEE 802.11ac次世代無線LANに対応したテストソリューションを発表した。いずれも現在はβ版の製品が提供されており、正式版は7月以降、順次提供が開始される。

 イクシアは、主に機器メーカーやキャリア、ISPなどに対して各種テスト製品を提供している企業。これまでも有線・無線双方のネットワークテスト製品を提供しており、ネットワーク機器のパフォーマンスや品質をチェックしたり、あるいはネットワークプロトコルの振る舞いが正しいかを検査したりすることができる。

 今回はまず、L2-L3プロトコルエミュレーションツール「IxNetwork」をOpenFlowに対応させた。OpenFlowコントローラをエミュレートすることにより、フローテーブルエントリの変更とフォワーディングテスト用のトラフィック生成を行える。また、プロトコルコンフォーマンス(適合性)を検証する「IxANVL」もOpenFlowに対応し、適合性検証が可能になった。OpenFlowは複数のバージョンが存在するが、現在はOpenFlow 1.0をサポートし、今後、業界の動向を見ながらサポートを広げていくとのこと。

 価格は、「IxNetwork」のOpenFlow対応版が1426万6000円から、「IxANVL」のOpenFlow対応版が339万円から。それぞれ8月、7月の提供開始を予定する。


OpenFlowコントローラのエミュレーションに対応する現実解として想定されている、OpenFlowとこれまでのL2-L3ネットワークとの併用にも対応するとのこと

 一方、1Gbpsを超える速度を出せるIEEE 802.11ac無線LANのテストが可能になったのは、無線LAN向けのテスト製品「IxVeriWave Wi-Fi」。主要なRFパラメータのテスト、フルレートでの802.11acトラフィックの生成、環境RF条件のモデル化をサポートする。価格は1122万円からで、7月の提供開始を予定するとのこと。


IEEE 802.11ac対応のテストソリューション

 なお発表の場には、米Ixia 社長兼CEOのヴィック・オールストン氏も同席。「従来の当社では、主にラボ内での“ネットワークの確立”フェーズにおいてソリューションを提供してきたが、先ごろ発表した(ネットワーク可視化製品などを手がける)米Anue Systemsの買収により、その後の“ネットワークの最適化”“サービスの検証”といったフェーズでもソリューションを提供できる」と述べ、これからのビジネスの広がりに期待を示す。

 それは、顧客が、これまで中心だったネットワークベンダーやキャリア/ISPから、一般のエンタープライズ、クラウドベンダーなどに広がることに加え、北米を中心としてビジネスしてきたAnue Systemの製品を、世界に展開しているIxiaの販売網を使って拡販できるようになるため。日本についても、「Ixiaは強いプレゼンスを持つため、販売の広がりを期待している」と述べている。


米Ixia 社長兼CEOのヴィック・オールストン氏合計17億ドルの市場に対して製品を提供できるが、そのうち5億ドルに相当するネットワーク可視化については、Anue Systemの買収によって獲得可能になった市場だという
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(石井 一志)
2012/6/1 06:00