日本マイクロソフト、SQL Server 2012を4月1日から提供開始

「真の国内No.1 DBベンダーを目指す」と樋口社長


日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏

 日本マイクロソフトは、開発コードネームで「Denali(デナリ)」と呼ばれていた「Microsoft SQL Server 2012」の企業向けボリュームライセンスを4月1日から、パッケージ製品を5月18日から、それぞれ提供を開始すると発表した。

 Enterpriseエディションのコアライセンス(2コアパック)の価格はOpen Businessで256万円、Select Level Aが167万3200円。新たに用意されたBusiness Intelligenceエディションのサーバーライセンスは、Open Businessで147万円、Select Level Aが104万5000円。StandardエディションのコアライセンスがOpen Businessで66万7000円、Select Level Aが43万6400円、サーバーライセンスではOpen Businessで15万3000円、Select Level Aが10万9200円。クライアントアクセスライセンス(CAL)がOpen Businessで3万3300円、Select Level Aが2万5500円。

 今回から、コンピューティングパワーベースの課金体系を新たに導入している。

 日本マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏は、「SQL Server 2012の一番の目玉はビッグデータ対応である。企業間の競争環境がし烈化するなかで、いかに賢く競争できるか、他社と差をつけるかが重要である。企業価値向上に向けて、ビッグデータを活用する重要性が増している。ビジネスには、経験と勘も大事だが、データからモーションにつなげていくことが企業の差別化の上で重視される。データベースの圧縮技術の進化、データの持ち方の改良、クエリーエンジンの改良などによって、競合製品と遜色がないレベルまできた。そして、エンドユーザーがフロントで使っている製品をマイクロソフトは提供しており、現在、使っているツールとの親和性が高い点も特徴。それぞれのユーザーが使いやすい状態で、分析したデータを見える化できるようにしている」などとした。

 また、「SQL Server 2012の国内早期導入企業は7社となった。製品発売前に、7社もの企業において、本番環境が動作したのは初めてのこと。これは、SQL Server 2012の完成度の高さ、またユーザーの期待値を示したものである」とした。

 ガンホー・オンライン・エンターテイメント、コニカミノルタビジネステクノロジーズ、すてきナイスグループ、ソフトバンクモバイル、名古屋銀行、ピップ、三井物産の7社が早期導入を行っている。

 会見では、早期導入企業である7社のビデオメッセージを交え、SQL Server 2012の機能説明を行った。

 SQL Server 2012では、AlwaysOn機能により、障害発生時にも数秒でフェールオーバーできる高可用性と、通常時に待機系を読みとり処理に活用することでの負荷分散を実現。「同期した際にはローカル環境において、ハードウェアの障害があってもダウンタイムがない。データベースの切り替えが10分程度で可能といったメリットがある」(三井物産)などとした。

 また、カラムストアインデックス機能により、大量のデータをより高速に集計できるようになり、ビッグデータ時代に求められる可用性と、高いパフォーマンスを実現。「従来のデータベースの設計構造でもそのまま活用できる」(三井物産)、「従来は10分以上かかっていた分析が、数秒でできる」(名古屋銀行)などとしたほか、「1億2000万件のデータに対して、約100倍の性能向上を達成している」(日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部長 業務執行役員の梅田成二氏)としている。

 さらに、Power View機能では、ウェブブラウザをインターフェースとすることでクリック操作だけで高度なデータの可視化を実現。処理されたデータを保管するだけでなく、蓄積された膨大なデータを誰でも探索できる環境を提供することで、営業やサポートなどの現場で活躍するスタッフの現状把握力、責任者へのレポート能力、新たなビジネスチャンスの発見能力を高めることができるとしている。

 「見える化から見せる化へと進化できる。分析したデータを図表の形のまま、時系列で動かすことができ、会議の場でも修正をすることができる。既存のBIツールの導入では開発期間、開発コストが必要となるが、SQL Server 2012では標準搭載されており、こうした点でもメリットがある」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ)、「従来の10倍以上になるデータを扱っていてもパフォーマンスには問題がない。収集もリアルタイムになり、分析もリアルタイムになる」(ソフトバンクモバイル)などとした。

 さらに、パブリッククラウドデータベースである「SQL Azure」とコードベースを完全に共通化。オンプレミスとクラウドとのシームレスな運用管理とアプリケーション開発環境を提供する点も特徴だとした。

SQL Server 2012の主な機能見える化から見せる化へと進化したというSQL Server 2012の画面
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部長 業務執行役員の梅田成二氏

 梅田氏は、「SQL Server 2012では100種類以上の機能強化を行っている」としながら、ビックデータ時代の情報基盤として高パフォーマンスと高可用性を低いTCOで実現する「Mission Critical Confidence」、ビッグデータをビジネスに活かすセルフサービスのデータ活用基盤を提供する「Breakthrough Insight」、オンプレミスとクラウドをシームレスな運用管理、開発環境を提供し、高生産性を実現する「Cloud on Your Terms」の3つのキーワードが、同製品の大きな特徴であるとして、ビッグデータを活用した新しい意思決定ソリューションであること、ミッションクリティカルに求められる高可用性と低コストの両立した製品であることを強調した。


ソフトバンクモバイルのモバイル・ソリューション本部情報企画統括部・柴山和久統括部長

 早期導入事例としては、ソフトバンクモバイルのモバイル・ソリューション本部情報企画統括部・柴山和久統括部長が説明した。

 ソフトバンクモバイルでは、SQL Server 2012を2011年11月から、RC版で本番環境で運用。情報企画統括部では、2.1GHz帯で提供する携帯電話およびスマートフォンの通信サービスエリアを、50メートルメッシュでの電波状況解析を行い、基地局などの工事の進捗状況や設備の管理・監視、また利用者からの情報収集などを含めて、約30億にのぼるデータの収集、蓄積、分析などに活用している。

 「通信トラフィックの状況は日々変わってくる。例えば、冬場になるとスキー場には人が集まるが、このときにどの程度のマックスレンジになるのかを分析しなくてはならない。状況は刻一刻と変化する。また、スマートフォンへの移行が進展することで、トラフィック量は10倍以上にも増えている。この対策のためのアンテナ設置を、インドア対策で行うのか、アウトドア対策で行うのかといったことを分析し、効率的な基地局配備にもつなげている。日々、多くの情報を収集するなかで、これらを解析することは、SQL Server 2012でないと不可能だった。さらに、都内の基地局の情報を一覧で表示するには、4~5秒かかったが、これが0.5秒以下となり、加えて、GISエンジンが不要になったことで、大幅なライセンス量の削減、メンテナンスの削減に寄与している。サーバーをミニマイズしても、4倍を超えるパフォーマンスを実現したという実績もある。RDBの知識がないエンジニアでも簡単なチューニンクが可能であり、分析や顧客満足度の向上といった本来の業務に集中ができる」などと、SQL Server 2012の特徴を示し、「今後、予定されているプラチナバンドの展開も、この仕組みを活用して行われることになる」などとした。

ビデオメッセージを寄せたNECの山元正人執行役員常務

 さらに、NECの山元正人執行役員常務がビデオメッセージを寄せ、「NECとマイクロソフトは20年以上のパートナーシップがある。また、NECは、経営システムの基盤にSQL Serverを活用して1年以上を経過している。SQL Server 2012とExpress5800ハイエンドサーバーとiStrageとの組み合わせで、2011年9月から共同で検証を行っており、高い機能性、性能を実証している。SQL Server 2012を、今後のNECのソリューション基盤として活用し、NECが持つハードウェア、ミドルウェアと組み合わせることで、ミッションクリティカルにおける広範な分野で展開していく」などとした。

 一方、日本マイクロソフトの樋口社長は、「競争力のある製品およびサービスの提供だけでなく、会社あるいは会社を構成する社員を信用していただくこと、本社との連携したサポートができることが重要であり、エンジニアの顔が見えることこそが、ソリューションビジネスには大切である。エンタープライズセールスの増員、コンサルティングメニューの拡充、フィールドエンジニアの増員を図る」とコメント。さらに、「国内データベース市場においては、新規導入件数は国内1位だが、売り上げ金額では2位である。売り上げ金額でも1位を獲得し、真のナンバーワンを目指す」とした。

 梅田氏によると、2011年のユニットシェアではSQL Serverが50%に対して、Oracle Databaseは30%。また金額ではSQL Serverの25%に対して、Oracle Databaseは30%。「SQL Serverの価格は約半分だが、新製品の投入により、年率20~30%の成長を計画。これにより、逆転を図る」とした。

 同社では、Oracle DatabaseからSQL Serverへの移行アセスメントサービスを提供。Oracle Databaseに造形が深いコンサルタントを派遣し、パートナーを中心とした公正な立場でアセスメントを実施。すでに住友ゴムをはじめ数10件で実施して、成果があがっているという。

移行アセスメントサービスを展開
関連情報
(大河原 克行)
2012/3/23 14:43