日立、SAP ERPの導入・運用をグローバルで支援する「日立グローバルソリューション for SAP」

　株式会社日立製作所（以下、日立）は21日、SAP ERPの導入・運用をトータルに支援するソリューション「日立グローバルソリューション for SAP」を整備したと発表した。基幹システムとしてSAP ERPの利用を検討している企業や、すでに一部の拠点で導入済みの企業に向け、4月2日から提供を開始する。価格は個別見積もり。

　「日立グローバルソリューション for SAP」は、グローバルテンプレート、導入後の運用を支援するグローバルAMO（Application Management Outsourcing）サービス、システム導入のノウハウを体系的に整備したナレッジデータベースなどから構成されるソリューション。

　まずテンプレートでは、SAPが提供しているSAP Best Practicesに、より実務に則した業務プロセスに対応する機能などを追加し、「日立グローバルテンプレート for SAP HITRY/Global」として整備した。

　グローバル導入の際に課題となる、国や地域の法制度・商習慣への対応についても、SAP Best Practicesの標準コンテンツに、業務プロセスを補完するソリューション（Point 5 Solutions）、業種別ソリューション（Industry Solutions）、各国要件（Country Requirement）が追加され、対応可能な業務が大幅に増加。これによって、SAP ERP導入プロジェクトにおける総工数を平均32％削減できるとされるSAP Best Practices以上の、さらなる工数削減を実現するとしている。

　2つ目のAMOサービスでは、マルチベンダー化をはじめとするグローバルならではの課題を解決するため、海外拠点を含めたワンストップでの運用が実現可能な「日立グローバルAMOサービス for SAP」を整備。他社が構築したシステムであっても、日立がSAP ERPを一括運用できるようにした。

　最後のナレッジデータベースでは、日立グループ自身の基幹システムグローバル導入活動で培ったノウハウを体系的に整備し、「日立グローバルナレッジデータベース」として提供する。導入プロジェクトでこのナレッジを活用することにより、導入先の国や地域で法制度として求められている要件、その実装方法などをドキュメントで提示できるようになるとのことだ。

　なお日立では、海外導入分として、ハードウェア、ライセンス料を含め、2015年度末までに累計300億円の販売を見込んでいる。