国内セキュリティ市場は好転、テレワークなど好材料に~IDC Japan予測


 IDC Japan株式会社は25日、国内セキュリティソフト市場予測を発表した。

 2010年の市場規模は2030億円、前年比成長率が11.8%と2009年のマイナス8.2%から回復した。2010年~2015年の年平均成長率(CAGR)は2.8%で、2015年に2329億円の市場規模になると予測している。

国内セキュリティソフト市場 セグメント別売上予測、2010年~2015年(出典:IDC Japan)

 機能別主要3市場で見ると、アイデンティティ/アクセス管理ソフト(シングルサインオンやユーザー認証など含む)の2010年の市場規模は512億円、前年比成長率8.5%となった。費用の高さや導入工期の長さによって2009年はマイナス成長だったが、2010年はプラス成長に回復。東日本大震災後は、テレワークの普及やパブリッククラウドの利用拡大によって、シングルサインオンや認証連携などの製品需要が高まり、2010年~2015年のCAGRは5%、2015年の市場規模は655億円と予測している。

 セキュアコンテンツ/脅威管理ソフト(アンチウイルス・スパム、URLフィルタリング、ネットワークセキュリティなど含む)の2010年の市場規模は1113億円、前年比成長率10.9%で、2009年のマイナス12.3%から回復。同市場では、クラウドによるサービス化が進んでおり、震災に伴う外部サービスへのニーズにより普及が加速すると見られ、2010年~2015年のCAGRは1.3%、2015年の市場規模は1190億円と予測している。

 セキュリティ/脆弱性管理ソフト(ログ管理やポリシー管理など含む)の2010年の市場規模は213億円、前年比成長率12.8%で、2009年のマイナス0.3%から回復。震災後のテレワークやスマートフォンなどの利用拡大により、リモートPCやモバイル端末のセキュリティ管理製品の需要が高まり、2010年~2015年のCAGRは3.6%、2015年の市場規模は254億円と予測している。

 IDC Japanでは、「ソフト・アプライアンス・サービスといった複数のソリューションを提供するベンダーが増えているが、個個のライセンスモデルは違っているため、ユーザー企業ではセキュリティ予算の計画が立てづらくなっている。ベンダーは、ハイブリッドソリューションでのライセンスモデルの共通化やパッケージ化を図るべき」と指摘している。

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