朝日生命、日本IBMの支援によりデータセンターの空調消費電力を約4割削減


 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は4日、朝日生命保険相互会社(以下、朝日生命)のデータセンターにおいて、空調消費電力の大幅削減を短期間で実現したという。

 朝日生命では、2011年夏の電力不足に対応するため自主行動計画を策定し、全社で節電への取り組みを行っている。その一環として日本IBMでは、東京・多摩市にある朝日生命のデータセンターにおいて、空調電力の最適化支援を4月末から開始した。

 この空調電力の最適化にあたっては、日本IBMの大和研究所が持つベストプラクティスをもとに、20年間にわたってさまざまなデータセンターでファシリティ関連の経験を持つ、日本IBMの「グリーン・ファシリティー部門」がサービス提供を担当している。

 具体的には、データセンター内の温度分布や空調機の稼働状況などの現状を調査し、機器の安定稼働や効率的な空調環境などの観点から、各種施策をデータセンター内に適用した。例えば、「サーバーの吸気側に冷風が効率良く流れるよう、通気穴のついたタイルの配置を最適化する」「暖気と冷気が混ざることなく効率良く冷却するため、ラック内のすき間をパネルでふさぐ」といった対応を行った。

 この結果、空調機の還気温度を、取り組み実施前より2~3度高く設定できるようになり、6月末までの2カ月の間に、約4割の電力削減を実現したという。年間では約91万kWhの電力削減を達成しているが、CO2換算では年間約295トンの排出量削減に相当するとのこと。

 なお朝日生命ではこれまでも、空調電力最適化の取り組みとして、温度に応じてモーターの回転数を自動調整し、風量を制御するインバータを設置していた。今回、空調機の還気温度を高く設定したことで、インバータの効果と相まって吹き出しの風量を抑制できたことにより、消費電力削減を実現しているとのこと。

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(石井 一志)
2011/8/4 18:24