SAPジャパン、企業内に散在するデータ資産の統合管理を実現するソリューション


 SAPジャパン株式会社は2日、企業情報管理ソリューション「SAP BusinessObjects Enterprise Information Management 4.0」を構成する新製品として、「SAP BusinessObjects Information Steward」を同日より提供開始すると発表した。

 「SAP BusinessObjects Information Steward」は、企業内のさまざまなシステムに散在するデータ資産の発見・理解から定義、そして品質の向上と継続的な監視、統制までの一連の企業データ管理作業を、1つの環境下で実現する業界初のソリューションとなる。


ソリューション営業統括本部 BA&T事業開発 BI事業開発マネージャの瀬尾直仁氏SAPが提供する情報活用プラットフォーム

 ソリューション営業統括本部 BA&T事業開発 BI事業開発マネージャの瀬尾直仁氏は、「企業の取り扱うデータ量は爆発的に増大しており、その中で構造化データ、非構造化データを含め、さまざまなデータを最適な形でビジネスの中に役立てていくニーズが強まっている。当社では、こうした動きに対応するため、フロントエンドでは『SAP BusinessObjects BI』によって柔軟性と一貫性を実現する仮想統合アプローチを推進。また、インメモリ技術を活用した『SAP HANA』によってDWHの高速化を図ってきた。そして今回、データの品質に注目し、仮想化統合におけるデータの正当性・妥当性を担保するバックエンドソリューションとして『SAP BusinessObjects Information Steward』をリリースする」と、新製品の位置づけを説明している。


ソリューション営業統括本部 BA&T事業開発 EIM事業開発マネージャの坂本環氏「SAP BusinessObjects Information Steward」の製品概要

 また、新製品の狙いについて、ソリューション営業統括本部 BA&T事業開発 EIM事業開発マネージャの坂本環氏は、「企業内には、複数システムにまたがって、さまざまなデータソースからもたらされる多種多様のデータが散在している。これらのデータをビジネスに生かしていくためには、どんなデータがどこに存在し、どのように活用されているのかを把握するとともに、そのデータの信頼性を担保する必要がある。しかし、多くの企業では、データの取り扱いについてIT部門と業務部門が分断されているため、全社横断的なデータ管理と品質の確保ができていないのが実情だ。そこで今、企業のあらゆるデータ資産に関する信頼性を継続的に確立し、ライフサイクル全体を通じて責任をもつ『データスチュワード』という役割が重要視されつつある。今回の新製品は、この『データスチュワード』の業務を支援するものである」と述べている。

 「SAP BusinessObjects Information Steward」の主な機能は、「データプロファイリング」、「データ品質監視」、「メタデータ分析」の大きく3つに分けられる。

「データプロファイリング」機能の概要「データ品質監視」機能の概要「メタデータ分析」機能の概要

 「データプロファイリング」では、データがビジネスの定義と予測に適合するかどうかを分析することができる。また、データの完成度、散逸性、冗長性、および分布パターンをチェックできる。さらに、システム全体におけるデータ依存関係の分析、可視化も可能となっている。

 「データ品質監視」では、「バランススコアカード」によるデータ品質パフォーマンスの評価や、メトリクスに基づくデータ品質パフォーマンスの評価および追跡が可能。さらに、データ品質に関する弱点を想定し、特定することができる。

 「メタデータ分析」では、BIレポートからデータソースまでのデータを追跡することができるほか、データの品質/変更の影響を評価することが可能。また、入手可能なデータ資産を再利用することもできる。

ソリューション本部 カスタマーイノベーションセンター プラットフォームグループ SAP BusinessObjects担当部長のボロメオ・ボビー氏

 ソリューション本部 カスタマーイノベーションセンター プラットフォームグループ SAP BusinessObjects担当部長のボロメオ・ボビー氏は、「これら3つの機能を、統合された1つの環境下で実行できることも『SAP BusinessObjects Information Steward』の大きな特徴だ。プロファイリング、メタデータ管理、データ品質の評価・監視、およびデータクレンジングまでが一体化されている唯一の統合ソリューションであり、データスチュワードとビジネスアナリストが自社のデータ資産を協調して管理することができる。また、IT部門と業務部門が共通の環境を通じてコミュニケーションをとれるため、業務効率の向上とコスト削減も実現できる」と、企業の情報管理における新製品の導入メリットを強調した。

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