レノボ、ビジネス利用に特化したAndroid 3.1タブレット「ThinkPad Tablet」

キーボード付きフォリオ・ケースなどのオプションも利用可能


ThinkPad Tablet

 レノボ・ジャパン株式会社(以下、レノボ)は2日、Android 3.1を搭載した企業向けのタブレット端末「ThinkPad Tablet」を発表した。企業向けの販売を同日より開始し、出荷は9月上旬に開始される予定という。価格は、最小構成で4万7040円から。

 ThinkPad Tabletは、企業向けに特化したタブレット端末。タッチパネルは、1280×800ドット表示可能な10.1型のIPSマルチタッチ液晶で、ThinkPad X1と同様、耐傷性に優れたゴリラガラスを搭載する。OSはAndroid 3.1を採用するほか、CPUはNVIDIA Tegra 2(1.0GHz)、1GBメモリ、最大64GBのストレージ(フラッシュメモリ)を備えた。筐体色はブラックのみ。

 インターフェイスはUSB 2.0、Mini USB、Mini-HDMI出力、音声入出力、3-in-1メディアカードリーダー(SD/SDHC/MMC)、前面200万画素カメラ、背面500万画素カメラなどを搭載。通信機能としてIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0に対応し、3G通信機能は搭載しない。ただし、3Gモデルについては年内の発売を検討しているという。センサーは、GPS、加速度センサー、光センサー、e-Compassを搭載する。

 本体サイズは幅260.4×奥行き181.7×高さ14.5mm、重量は最軽量時約743g。バッテリ駆動時間は、WiFi使用時で約9時間。

 価格は、ストレージが16GBの「18382QJ」が4万7040円。ストレージを32GBに変更した「183825J」が5万8065円、ストレージを64GBに変更した「183827J」が6万5940円。上位2モデルには、タブレットペンが付属する。

 なお、キーボードとしてもタブレットのケースとしても使えるキーボード・フォリオ・ケース、ドックなどのオプションも提供される予定だ。


ThinkPad Tablet(キーボード・フォリオ・ケースはオプション)キーボード・フォリオ・ケースやドックなどのオプションも提供される予定

 

企業向けに特化している点が最大の特徴

ThinkPad Tabletをを手にする、レノボ 製品事業部 プロダクトマネージャー ThinkPad製品担当の土居憲太郎氏

 最大の特徴は、企業向けに特化して開発されている点。これについて、レノボ 製品事業部 プロダクトマネージャー ThinkPad製品担当の土居憲太郎氏は、「競合ベンダーの製品はコンシューマ向けが主で、企業でもコンシューマ向けを使うケースが増えているが、ThinkPad Tabletは、完全に企業に特化した製品。セキュリティや運用管理、豊富な周辺機器といった、法人市場で要求される機能をさまざま盛り込んでいるし、3年までの保守延長も可能になっている」と述べ、その強みをアピールする。

 具体的にまずセキュリティ面では、マカフィーのマルウェア対策ソフト、盗難防止用ソフトを備えるほか、本体内のユーザーデータとSDカード内の暗号化に対応。さらに、「情報漏えいを防ぐために、(社内のWindows PCにおいて)拡張ポート無効化のポリシーを導入している企業もあるが、Android端末でこれを可能にした」(土居氏)点も、大きな特徴だ。

 運用管理面では、設定のインポート/エクスポートをサポートしているので、全社統一のポリシーを容易に適用可能。CiscoやJuniperのVPNソフトへの対応、Exchange ActiveSyncやActive Directory、System Center Configuration Managerなど、「運用管理に使われている、マイクロソフトのさまざまな技術に対応することにより、Android端末とはいっても、そうした管理機能と連携を可能にしている」という。


企業向けに特化しているため、ポートの無効化機能やストレージの暗号化機能、さまざまな管理機能などが提供される

 加えて、レノボのタブレット端末向けに検証されたアプリケーションを提供するオンラインサイト「Lenovo App Shop」でも、企業向けの機能を用意する。これによって、「その企業が購入したライセンスの範囲内でしか、アプリケーションをダウンロードできないし、特定のアプリケーションのみ導入可能なように制限できる」(土居氏)とのこと。ただしこれらの機能は現在開発中で、2011年10月~12月に利用可能となる予定である。

 このほか、USBメモリと端末の間で簡単にコピーが行える「USB Copy Utility」、Office 2010と互換性を持ち、簡単な編集やプレゼンテーションが可能な「Documents ToGo」といったアプリケーションも用意されており、顧客のビジネス利用を支援するとした。なおOSのアップグレードに関しては、発表時の次のバージョンまでサポートする計画で、それ以降については未定とした。

 主な適用分野としては、一般的なタブレット端末と同様、店舗・倉庫での在庫管理や簡単な注文処理など、参照(表示)することが80~90%の業務を見込むが、オプションのキーボードを装着すれば、対面でのリテール販売や、顧客情報の照会・入力など、参照することが50%の業務にも十分耐えうるとのこと。さらに、「プリロードされているCitrix Receiverを利用することにより、仮想デスクトップ向けのシンクライアント端末としても利用可能」(土居氏)と紹介している。


用意されるアプリケーション仮想デスクトップを利用する際のシンクライアント端末としての利用も視野に入れているという

 

コンシューマ向けモデルも

IdeaPad Tablet K1

 なお同日には、Android 3.1を採用したコンシューマ向けのタブレット端末「IdeaPad Tablet K1」も発表された。ThinkPad Tabletと共通化された仕様も多いが、セキュリティや運用管理機能が省略されているほか、液晶がIPSでない、SDカードスロットがフルサイズではない、USBポートを搭載しないなど、異なる点もいくつか見られる。

 CPUはNVIDIA Tegra 2(1.0GHz)、1GBメモリ、32GBストレージを備え、筐体色はホワイト、レッドの2色が用意される。

 インターフェイスはMini-HDMI出力、音声入出力、MicroSDカードリーダー、前面200万画素カメラ、背面500万画素カメラなどを搭載し、通信機能としてIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRに対応した。センサーは、GPS、加速度センサー、光センサー、e-Compassを搭載する。

 本体サイズは幅264×奥行き189×高さ13.3mm、重量は約750g。バッテリ駆動時間は、WiFi使用時で約8.6時間。店頭想定価格は5万円となっている。

関連情報
(石井 一志)
2011/8/2 16:43