大塚商会の2011年度上期中間決算、震災影響軽微で増収増益を実現


2011年1月~6月 業績の概要

 株式会社大塚商会は29日、2011年年度(2011年12月期)の中間決算(2011年1月~6月)を発表した。それによると、連結売上高は前年同期比2.0%増の2491億4400万円、営業利益は同14.1%増の139億4300万円、経常利益は同14.2%増の143億500万円、純利益は同10.9%増の78億2400万円となった。

 単体では、売上高は前年同期比1.3%増の2316億7100万円、営業利益は同11.4%増の127億1500万円、経常利益は同10.5%増の130億7600万円、純利益は同9.1%増の72億9600万円。

 大塚裕司社長はこの結果について、「売り上げは連結、単体共に計画比未達となったが、利益についてはいずれも計画を上回ることができた。対前年比では連結、単体共に売上高、利益のいずれも増収増益を達成し、震災があった環境下において、まずまず頑張った数字となったのではないか」と言及した。


代表取締役社長の大塚裕司氏連結売上高、利益の状況
連結売上高の四半期推移連結経常利益の四半期推移

 売上総利益率は対前を0.6ポイント上回る22.2%となったが、「これはサプライも含めたストックビジネスの伸びが要因の一つ。前年比の伸び率が低いのは前年の3月がITの駆け込み需要がかなりあったため、それに比べると今年度は期末の駆け込み需要がほとんど見られなかったため」と、前年3月がITの駆け込み需要に湧いたのに比べ、今年度はそういった3月の期末需要が見られなかったと説明した。

 ただし外部環境は、円高による影響はあるものの、「3月11日以降、大幅に乱れていたサプライチェーンの立て直しが進み、5月、6月と順調に回復している。企業の景気動向をはかる指針となるコピー用紙の出荷量も、4月~6月は16%から17%の伸びで好転してきている」と持ち直す傾向が出てきているとした。

 大塚商会の震災の影響については、首都圏の顧客が大半を占めることもあり、「製品の納入が止まり、一時期は買い占めされたお客様の影響で倉庫が空になる事態にもなったが、影響は少なくて済んだ」という。

 連結のセグメント別売上高は、システムインテグレーション事業が前年同期比2.0%増の1412億8600万円、サービス&サポート事業が同2.3%増の1071億400万円、その他事業が同33.0%減の7億5300万円。

 単体の詳細セグメント別売上高は、SI関連商品が1101億4700万円、受託ソフトなどが160億8000万円、サプライが523億8800万円、保守などが530億5400万円。

 「保守については、前年比1%減となったが、これは計画停電の影響でコピー機が止まり、その影響でカウンター料金が入らなくなった影響」だと分析している。

 単体の重点戦略事業の状況では、たのめーるが前年同期比6.0%増の542億4000万円、オリジナルソフト「SMILE」事業が同17.3%増の42億5200万円、ドキュメントソリューション「ODS21」が同2.9%増の223億4000万円、セキュリティ事業「OSM」が同5.0%増の245億900万円。複写機の販売台数が同7.5%増の1万6196台、うちカラー複写機が同13.8%増の1万3324台、サーバが同6.0%増の1万9537台、パソコンが同0.8%減の35万2385台。

 パソコンの販売台数が前年よりマイナスとなっているのは、前年の特需の反動のためとなっている。


連結 セグメント別売上高単体 詳細セグメント別売上高単体 詳細セグメント別売上高増減率の四半期推移
単体 顧客企業の年商別売上構成単体 顧客企業の業種別売上構成単体 重点戦略事業の状況
連結 売上高・利益の計画

 通期の売上高、利益の計画については、前回の発表から変更などは行わない。

 「震災の直後もこの成果を出すことができたので、修正はせずに対応する。今後必要があれば、第3四半期で見直しを行う可能性もあるが、現在は当初計画通りで進める」という。
 今年は創業50周年にあたるが、「特に50周年記念ディスカウントセールなどは実施していないので、売り上げへの大きな影響はないのではないか」という。

 また、他のサービスプロバイダーがクラウドビジネスの影響で売上減などになっていることに対しては、「当社のビジネスでは声高にこのビジネスがクラウドビジネスということをうたっていないが、前にお話ししたようにWebサービスでは103万軒の企業顧客を抱え、データセンターを5つ用意している。こうしたバーチャルビジネスと、お客様に対面するリアルビジネスの両方を持っていることが大塚商会の強み。リアルとバーチャル、ハイブリットでお客様を囲い込むことができる」とクラウドビジネスのマイナス影響は受けていないと話した。


連結 セグメント別売上高計画創業50周年
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