東京工科大学、プログラミング実習向けのクラウド環境を拡大~ハイブリッドクラウドを導入へ


 学校法人片柳学園東京工科大学は11日、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の協力のもとで、ハイブリッドクラウド環境を構築したと発表した。この環境を用いて、2011年9月より、コンピュータサイエンス学部のプログラミング実習講座を、同学部の全学生約2000名へ解放するという。

 今回構築されたハイブリッドクラウド環境は、同大学内のプライベートクラウドと、日本IBMのパブリッククラウドを連携させたもの。東京工科大学では、企業の即戦力となるIT技術者の育成を目的に、2009年10月より、日本IBMと共同で開発したプライベートクラウド環境を用いて、コンピュータサイエンス学部の3年生向けにプログラミング実習講座を開講している。

 クラウド環境を活用するメリットは、2時間程度かかる環境構築の作業が不要になる点で、これによって、学生は第1回の授業から、プログラミング実習に取り掛かれるのだという。

 今回は、東京工科大学では、学生のプログラミング技術の向上を目的に、より多くの学生にプログラミング実習の機会を提供するため、クラウド環境でのプログラミング講座を、コンピュータサイエンス学部の全学生に、順次開放することにした。

 この提供にあたっては、予定の時刻に予定した人数の学生が使用する授業向けのクラウド環境は、必要な時に必要なだけのコンピューティング資源を従量課金で使用できるパブリッククラウドを活用。一方、自習や課題の際に使用するクラウド環境は、学内の学生が24時間365日いつでも利用できるよう、プライベートクラウド環境を活用するという方針のもと、両クラウド環境を連携させたハイブリッドクラウド環境を採用している。

 具体的には、既存の学内プライベートクラウドと、日本IBMの幕張データセンターから提供するパブリッククラウド「IBM Smart Business Cloud -Enterprise(SBCE)」を連携させて実現した。

 なお同大学の試算では、今回構築したハイブリッドクラウド環境と、既存のプライベートクラウド環境を増強した場合では、5年間のTCOで比べると、約60%のコスト削減が可能になったとのこと。

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(石井 一志)
2011/7/11 16:22