SAPジャパン、インメモリソフト「HANA」の導入支援サービス3種

のぞく自信「HANA見ずにDWH選ぶべからず」


導入支援サービスの概要
分析テンプレートの一覧

 SAPジャパン株式会社は5日、インメモリソフト「SAP HANA」の導入支援サービス3種を発表した。同日より順次提供する。

 提供するのは、導入前に効果を検証する「データウェアハウス高速化アセスメント」「Proof of Concept実機検証サービス」、分析テンプレートを用いて効率的な導入を支援する「分析テンプレートを用いた導入コンサルティング」。

 「データウェアハウス高速化アセスメント」では、既存システムの使用目的・方法などをコンサルタントが調査し、既存システムのチューニングなどによる解決方法と、SAP HANAによる解決方法を比較検証する。これによりSAP HANAの費用対効果を定性・定量化されたレポートで事前に確認できるという。検証期間は約1週間。同日より提供する。

 「Proof of Concept実機検証サービス」は、実際のデータを用いてSAP HANAを試せる検証サービス。SAPジャパン内の開発センター「COIL Tokyo」にて、顧客環境を再現した実機を用意し、顧客自ら検証できる。SAP HANAの性能を実際に体感できるほか、一通りの構築作業を経験できるため、確実な導入計画が可能になるという。検証期間は約1~2カ月。同日より提供する。

 「分析テンプレートを用いた導入コンサルティング」は、ERPの導入経験を生かし、販売・在庫・購買・会計管理などの事前定義・テスト済み分析テンプレートを提供する。勘に頼った導入や多すぎるトライ&エラーを防止できるため、ROIの高い導入が可能になるという。提供時期は第3四半期。

HANAへの自信


リアルタイムコンピューティング推進本部長の馬場渉氏

 SAPジャパンのHANAに見せる自信は相当なものだ。発表会でも強気な発言が目立つ。その理由は「大規模なハードウェアや多くのチューニングが必要で、RDBMSの上に成り立つ従来のDWHは技術的限界を迎えており、それらを解決する仕組みをHANAが持っているためだ」(リアルタイムコンピューティング推進本部長の馬場渉氏)。

 実際、「分析要件変更後、常にバッチ処理に6時間を要した運用が不要となり、同じ処理をするハードウェアと比べてコストが1/10に抑えられた、また、チューニングし巨大なメモリキャッシュを割り当てたOracleと比べて1万倍速くなったという声が挙がっている。数億円もかけたDWHを構築しても、やりたいことができなかったといって、HANAに問い合わせをいただくケースが増えている」(同氏)という。

 自信の裏には、現ハードウェアパートナーであるHP、IBM、富士通、Dell、CiscoのHANA専用ソリューションセンターやデモセンターの準備が完了していることもあるだろう。また、経営情報分析ツール「SAP BW」がHANAに対応するなど、HANA上で稼働するアプリケーションが出始めたこともあるのだろう。

 今回の導入支援サービスは、まずSAP BW既存顧客(約500社)へ展開。次いでSAP ERP既存顧客でSAP BWを利用していない顧客(約500社)や、SAP BusinessObjectsを複数領域で利用する顧客(数百社)へ展開していくという。

 「HANAを見ずしてDWHを選ぶべからず」。馬場氏は自信たっぷりにこう語る。

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