日本IBM、プライベートクラウド構築・管理アプライアンス

Webアプリ・DBサーバーのワークロードをあらかじめ定義


IBM Workload Deployer V3.0
GUI管理画面

 日本IBMは14日、プライベートクラウドの構築・管理を支援するアプライアンス新製品「IBM Workload Deployer V3.0」を発表した。16日より出荷する。

 同社では2009年6月から、仮想化されたアプリケーションサーバーの構成やアプリケーションの配布などを管理するアプライアンス製品「IBM WebSphere CloudBurst Appliance」を提供してきた。今回、特定用途向けの環境をより迅速に構築するための機能「ワークロード・パターン」の展開と、負荷に応じて実行ミドルウェアを自動で拡張する機能を追加し、IBM Workload Deployer V3.0としてリリースする。

 特徴は、IBMが全世界で培ったベストプラクティスに基づき、特定用途に必要なソフトウェアや構成情報を「ワークロード・パターン」としてパッケージ化し、導入後の監視、修正プログラムの適用、ログの管理を含む保守までを専用のGUI画面で一元管理できる点。

 ワークロード・パターンとしては現状、高度なWebアプリケーションの稼働環境を構築するための「IBM Workload Deployer Pattern for Web Applications V1.0(以下、Pattern for Web)」と、データベース環境を構築するための「IBM Workload Deployer Pattern for DB2 Workgroup Server Edition V1.0(以下、Pattern for DB2)」を搭載。

 Pattern for Webでは、アプリケーションサーバーの導入と設定のみならず、キャッシング製品やユーザーID管理のためのディレクトリサーバーといった、高速化と可用性向上のために必要となるミドルウェアをあらかじめ組み込み、Webアプリケーション実行基盤を構築する。

 ここで配布される環境においては、システムに対する負荷の増減に伴い、あらかじめ設定したポリシーに従ってWebアプリケーションサーバーの数を動的に増減することも可能。アプリケーションへの要求が急激に増加した場合でも、サービスレベルに基づいた自律的な運用が可能になるため、管理者の負荷軽減、ユーザー満足度の向上、ビジネス機会損失の防止につながるという。

 Pattern for DB2では、開発・テスト環境、本番環境など使用環境の用途に応じ、データ量を指定するだけで最適な設定を自動的に構成する。

 価格は、本体のIBM Workload Deployer V3.0アプライアンスが886万6000円(税別)、Pattern for Webが287万5000円(同、100PVU)、Pattern for DB2が148万2000円(同、100PVU)。

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