富士通マーケティング、製造業における計画業務全体を統合管理する新システム


富士通マーケティング ソリューション事業本部 GLOVIAビジネス統括部長の大澤尚氏

 株式会社富士通マーケティング(以下、FJM)は17日、製造業における計画管理業務全体の統合を実現するパッケージ製品「GLOVIA smart 製造 PROFOURS」(以下、PROFOURS)を、本日より販売開始すると発表した。

 「PROFOURS」は、在庫適正化など製造業のROAに重要となるインバウンドSCM(サプライチェーンマネジメント)における計画管理業務を実行し、キャッシュフローの改善と、調達精度や生産性の向上、製造現場の効率化、意思決定の迅速化を支援する統合計画管理システム。スタイリッシュなデザインで操作性を向上させたGUIと、業種に合わせた制約条件を備えた高機能な計画エンジンを搭載することで、初めて使用するユーザーでも計画業務をスムーズに導入・運用することができる。

 FJM ソリューション事業本部 GLOVIAビジネス統括部長の大澤尚氏は、製造業をとりまく市場環境について、「製品ライフサイクルの短期化や顧客ニーズの多様化、価格変動の拡大、需要変動の拡大など、製造業の市場環境は目まぐるしく変化している。企業にとっては、こうした市場変化に即応し、迅速な意志決定を行うことが重要な課題となっている」と指摘。「しかし、多くの企業は、部門ごとに課題解決に取り組んでいるため、計画の一貫性がたもてず、意志決定の遅延による機会損失や在庫増加、コスト増大を招いているのが実情だ。そこで、製造業における計画業務の統合管理を実現し、需要変動への迅速な対応を支援するソリューションとして『PROFOURS』をリリースする」と、新製品投入の狙いを説明する。

富士通中部システムズ ソリューション事業本部長の冨浦雅裕氏

 「PROFOURS」の企画・開発は、生産スケジューリング分野において多くのシステム開発・導入経験をもつ株式会社富士通中部システムズとFJMが共同で手掛け、サポートも両社が共同で対応していくという。富士通中部システムズ ソリューション事業本部長の冨浦雅裕氏は、「当社では、生産スケジューリングを得意分野として、創立以来、計画業務ソリューションに力を注いできた。今回、これまで蓄積してきたノウハウと経験を集約し、“統合計画管理”という新たなコンセプトとともに『PROFOURS』を開発した」と述べている。

 また、FJMの大澤氏は、「現在シリーズ展開している生産管理システム『GLOVIA smart 製造 PRONES』を“体”、現場実績管理システム『GLOVIA smart 製造 MES』を“手足”に例えると、新製品の『PROFOURS』は“頭脳”の役割を担うシステムとなる。このシリーズ3製品が連携することで、製造業における生産管理から計画管理までをトータルでカバーすることが可能となった」とし、「PROFOURS」を中心に富士通グループ一体となって計画管理業務における業界No1を目指す考えを示した。

「GLOVIA smart 製造シリーズ」における「PROFOURS」の役割計画情報を統合的に管理

 「PROFOURS」は、計画業務全体を統合的に管理するソリューションとして、「Stylish」「Smooth」「Scheduling」「Special」の4つの“S”を実現しているのが特徴だ。「Stylish」では、感覚的かつ直感的な感性を刺激する洗練されたデザインと優れた操作性を提供する。最新のメニュー階層化技術や、各種サブ画面の最小化・自動表示などの操作方式を取り入れており、画面表示領域を最大限に利用できる。また、使いやすい操作性により、作業効率の向上を図ることができる。

 「Smooth」では、すぐに業務で使える形で製品提供することで、迅速なシステム稼働を実現。インストールや環境構築が簡単に実施できるため、短期間で使用開始することができる。また、業務の改善や拡張などに応じて、段階的なステップアップ導入も可能となっている。運用を始めるためのマスタ情報も簡単かつ迅速に登録できる。

Stylish:洗練されたデザイン、優れた操作性Scheduling:計画業務全体をカバー

 「Scheduling」では、計画業務全体をカバーし、販売・生産の各業務で扱う計画情報(販売計画・需給計画・製造計画・調達計画)の総括管理を実現。これにより、計画の作成・調整が容易になり、企業全体での作業効率向上や計画精度向上を図ることが可能となる。

 「Special」では、装置業・加工業・組立業の各業種に特化した機能を提供することで、早期導入・早期稼働を実現。細業種対応として25業種、業種特化機能としては約100機能を提供する。

 製品ラインアップは、顧客のニーズに応じて「エントリー」、「スタンダード」、「アドバンスト」の3タイプを用意。「エントリー」は、業種の特徴に合わせたマルチチャート機能により、計画情報の編集、参照が行える。担当者1人(1端末)で利用可能。

 「スタンダード」は、エントリーモデルに加え、制約条件を考慮した製造計画の自動立案機能や、クライアントサーバー方式による複数端末からの計画情報の同時操作が行える。複数工程や多品種/小ロットなどで、生産予定の作成、または変更に多大な労力を必要とする運用に最適。

 「アドバンスト」は、スタンダードモデルに加え、需給計画(PSI)や、所要量計算(MRP)など、計画管理業務全般が一括して管理できる。業務全体を通じて、作業効率の向上や計画情報の精度向上を図りたい場合に最適となっている。

 税別価格は、「エントリー」が50万円、「スタンダード」が150万円から、「アドバンスト」が400万円から。なお、「アドバンスト」の提供時期は今年第3四半期を予定している。

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