ヒューマンテクノロジーズと日本HP、クライアントPCのセキュリティ管理で提携

クライアントツール「HP ProtectTools」を「DigitalPersona Pro」で集中管理可能に


HP ProtectToolsの概要
連携による強化点
ヒューマンテクノロジーズ 執行役員COOの藤村高寛氏

 株式会社ヒューマンテクノロジーズは20日、日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)と協業し、セキュリティ製品の拡販を共同で行うと発表した。

 この協業に伴い両社では、日本HPの法人向けPCに標準搭載されているセキュリティツール「HP ProtectTools」を、ヒューマンテクノロジーズが取り扱うセキュリティソフトウェア「DigitalPersona Pro」によって集中管理できるようにする。

 ProtectToolsは、デバイス認証によるWindowsログオン、アプリケーションパスワードの自動入力、ドライブ暗号化、削除データのシュレッダー処理を行うファイルサニタイザーなど、複数の機能を統括する管理ツール。複数のセキュリティ機能を統合するのみならず、自社をはじめとして、異なる複数のベンダーの提供する機能をほぼ統一されたGUIで使用できる点が特徴という。

 日本HPでは、「法人向けPCで一番強く要望されているのがセキュリティで、安全性に十分な備えをしてほしいとのお客さまの声がある」(日本HP パーソナルシステムズ事業統括 コマーシャルモバイルビジネス プロダクトマネージャ 山上正彦氏)との状況を受け、こうしたツールを企業向けPCの多くに標準添付してきた。しかし、ProtectTools単体では、「各クライアント側で管理者を設定して設定できるが、クライアントごとに管理が必要になる」(山上氏)のが現状で、そのままでは、企業内に一律のセキュリティポリシーを厳密に適用したり、大規模に展開したりするのは難しかったという。

 そこで、今回はDigitalPersona Proの機能を使って、ポリシーの一元的な適用や、パスワード忘れなどの際に管理者がアクセスコードを発行するアクセスリカバリ、シングルサインオンなどを付加し、より使いやすいソリューションに仕上げている。

 ヒューマンテクノロジーズ 執行役員COOの藤村高寛氏は、両社が連携する効果について、「たくさんのツールを組み合わせた場合に、機能性の違いによって運用コストが上がってしまうが、スイート製品として提供することで、セキュリティのベースラインを提供できる」と説明。さらに、「(セキュリティ運用で)一番重要なのはポリシー管理。ユーザーの部門が変わっても、サーバー側で手当ができるほか、PCのリプレースや追加時にも、迅速なポリシー適用を強制できるメリットがある」と効果を強調した。

 また、日本HPとの連携による強みとして、ProtectToolsをエージェントに使うことにより他社製品にない機能を一部使える点、プリブート認証をサポートする点、ドライブ暗号化やノートPC搭載指紋リーダーの動作検証が済んでいる点を挙げたほか、ライセンス価格を2割り引きで提供するとしている。

 なお、DigitalPersona Proでは、管理機能をクラウド型で提供する中小規模向けの「Workgroup」と、Active Directoryに統合され、大規模環境にも対応できるオンプレミス型の「Enterprise」といった、2つのラインアップが用意されており、ユーザーはどちらかを自社の環境に応じて選択できる。「Enterprise」では、暗号キーや認証ログなどをサーバー管理する機能や、VPN接続などの際にワンタイムパスワードを発行する機能といった、「Workgroup」にない機能も一部提供しているとのこと。

 参考価格は、100ユーザーの場合で、「Workgroup」が68万円から、「Enterprise」が105万円から。「Workgroup」は11月から、「Enterprise」は2011年初旬にも、日本HPのPCとの連携に対応する予定だ。

「Workgroup」の特徴「Enterprise」の特徴
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(石井 一志)
2010/10/20 11:00