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エスツー、仮想デスクトップサービスで「IBM Aspera」を採用 大容量の映像データ編集・転送を実現

 日本アイ・ビー・エム株式会社は30日、株式会社エスツーの新サービス「S2 GPU CLUSTER」のインフラ環境として、大容量データの高速転送ソリューション「Aspera(アスペラ)」が採用されたと発表した。

 Asperaは、大容量ファイルなどを安全な環境で高速に移動、共有、同期できるようにするソリューション。データサイズ、種類、距離、ネットワーク状態にかかわらず、最大規模のデータ転送要件を最大速度で処理できるとのことで、独自の転送プロトコル「fasp」により、現行のインフラのまま、FTPやHTTPに比べて数十倍~百倍の高速化を実現できるという。またセキュリティを確保していることに加え、100%の高信頼性、帯域幅制御機能を提供するとした。

 一方、エスツーでは2016年2月から、全国の映像企業が場所を選ばずに事業を継続できる環境を提供するため、クラウドサービス「S2 GPU CLUSTER」をスタートさせている。このサービスでは、データセンターに設置したサーバー上に、大容量のHDD環境や高速なSSDが接続されたデスクトップ環境を用意し、映像制作者がインターネット経由で快適に作業を進められるようにしているという。

 このサービスの特徴は、Asperaによって大容量のデータ転送が確実に行われる点。遠隔デスクトップ環境で映像やCGなどの大容量データを編集し、Asperaで納品できる仕組みを提供することにより、地方の企業であっても、首都圏の企業と同じように仕事ができるように支援している。

 なおエスツーによれば、ゲームやCGなどの映像制作会社への受注がすでに確定しているほか、CADを扱う設計業界や、学校や病院への提供の拡大を図る考え。さらには、海外でのオフショア開発への対応も予定しているとした。

石井 一志