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オプティム、ビジネスアプリを安全に配信するプラットフォーム「OPTiM Store」

 株式会社オプティムは9日、ビジネスアプリケーションを安全に配信できるプラットフォーム「OPTiM Store」を発表した。50社以上のアプリ開発企業と協業し、100種以上のアプリを同プラットフォーム上にて提供する予定。今月中には正式にサービスを開始するという。

 オプティム 代表取締役社長の菅谷俊二氏は、「現在のビジネス市場はモバイルデバイスが普及し、企業で利用されるクラウドアプリケーションの種類が2012年から2015年の間に46%増加するというPalo Alto Networksの調査もある。こうした状況下で、多くの企業がクラウドの導入によって利便性が向上すると認識しつつも、情報漏えいやセキュリティリスクを感じている」と指摘。OPTiM Storeでこの課題を解決するとしている。

オプティム 代表取締役社長 菅谷俊二氏

 そのOPTiM Storeについて菅谷氏は、「さまざまなクラウドサービスやビジネスアプリケーションの中から、ユーザーに最適なサービスとアプリを見つけ出し、安全かつ簡単に運用できるプラットフォームだ」と説明する。

 菅谷氏は、OPTiM Storeのコンセプトとして、「Easy」「User Friendly」「Secure」「Smart」の4点を挙げる。「Easy」という点においては、マーケットプレイスを提供するために必要なアライアンスやアプリ審査、アプリ連携、販売、運用をすべて同プラットフォーム上で行うことができ、「自社の業種や事業規模ごとに最適化されたマーケットプレイスが簡単に利用できる」と菅谷氏は説明する。また、同社のモバイルデバイス管理(MDM)およびPC管理サービス「Optimal Biz」と連携し、アプリの購入から配信までをシームレスに提供するという。

OPTiM Storeとは
OPTiM Storeの機能

 「User Friendly」という点では、OpenID ConnectやSAMLといった標準アイデンティティ技術に対応。ユーザーはOPTiM StoreにIDとパスワードを使ってアクセスすることで、同ストア上のアプリやサービスにシングルサインオンできるようになる。また、クレジットカードや支払書ベースの銀行振込など、柔軟な決済方式を用意しており、販売パートナーがこれまで通りの決済方法でアプリを販売できるという。

 「Secure」の面では、クラウドの不安要素である情報漏えいやセキュリティリスクを払しょくするため、「OPTiM Storeで提供するアプリはすべてオプティム側でチェックする体制を整えている」と菅谷氏。基本動作の確認はもちろんのこと、経済産業省の制定するセキュリティガイドラインに準拠しているかどうか、またセキュリティ静的テストとしてコントロールフローやデータフローに問題がないか、サードパーティのライブラリやコンパイラに起因する問題がないか、バイナリコードレベルで埋め込まれた脆弱性がないかといったことも確認、基準を満たしたアプリに認定マークを付与するという。さらには、MDMおよびMAM(モバイルアプリ管理)で端末やデータを保護し、業務領域とその他のデータを分離して管理できるようになる。

 「Smart」という点においては、ユーザーの業種や利用状況に応じて適切なサービスやアプリをレコメンドする仕組みを提供する。また、情報分析機能を活用し、OPTiM Storeのトップ画面に売上別ランキングや無料アプリランキング、事業規模別ランキング、業種別ランキングなどを表示。ユーザーは自社で利用されていないアプリをウィッシュリストに登録することが可能で、管理者はユーザーのウィッシュリストを参考にアプリの導入が検討できる。

Sansanやマネーフォワードなどがアプリを提供

 OPTiM Storeにて提供する予定のアプリおよびサービスの一例としては、Sansanの法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansanスマートフォンプラン」、マネーフォワードの経費精算ソフト「MFクラウド経費」、キングソフトのビジネスチャットおよび社内SNS「WowTalk」、マカフィーのモバイルセキュリティソリューション「マカフィー モバイルセキュリティ Android版」など。現在交渉中のアプリも含め、サービス開始時には約100種類を用意するとしている。

 プラットフォームそのものの利用料金は無料で、ユーザーはアプリの利用料のみを支払い、パートナーも初期費用などは必要ない。App Storeなどのほかのマーケットプレイスと同様、アプリの利用料の中から一部をオプティムに支払う形だ。「オープンなサービスとして提供したいので、MDMについてもオプティムのMDMのみを提供するつもりはなく、ほかのMDMベンダーとも連携する。可能な限りセキュアなモバイルエンタープライズ市場を拡大させるサービスにしていきたい」と菅谷氏は述べる。

 「モバイルを活用したいと考える企業は多いが、実際にはユーザーが自由にアプリを使える環境にはなっていない。多くの企業でMDMを導入し、アプリに制限をかけているのだ。そこで、ここにあるアプリであれば安全だと合意が取れたものだけを用意するマーケットプレイスを提供し、より自由にアプリが使える環境を整えようと考えた。こうすることで、モバイルエンタープライズ市場が発展する」(菅谷氏)

MDM/MAMで端末やデータを保護
OPTiM Storeのトップページ。管理者画面には、ユーザーがアプリをウィッシュリストに追加するとアラートが出るようになっている
アプリ配信画面。配信したいユーザーの名前をチェックするだけだ
OPTiM Storeのビジネスモデル

今後は生体認証でビジネスアプリにログインも――

 OPTiM Storeの今後のロードマップとして菅谷氏は、まず生体認証を挙げる。「これまでのように、文字で表記されるようなIDとパスワードにとらわれる必要はなくなっていくだろう。すでにスマートフォンでも指紋認証などのバイオメトリクス認証が進んでおり、こうした認証方法を使うことで偽造しにくいIDとパスワードが実現する」と菅谷氏。OPTiM Storeでも上半期中には指紋認証に対応するとしており、「指紋認証ですべてのビジネスアプリへのログインが可能になる基盤を整えるべく準備中だ」という。

 また、来年度中にはビジネスに必要なさまざまなシーンにおける認証を、バイオメトリックス認証で実現したいと菅谷氏は語る。「ほとんどの個人情報の漏えいはIDとパスワードの漏えいから始まっているため、アプリやクラウドサービスに限定することなくバイオメトリクス認証を取り入れたい。PCへのログインやモバイルアプリはもちろん、オフィスの入退室や、ドローンなど新しいマシンの操作、利用者権限が必要な機器なども、バイオメトリクスでシングルサインオンできるようにしたい」(菅谷氏)

 菅谷氏は、「日本がよりモバイル先進国、IoT先進国となり、国際競争力のある豊かな国になるには、まずセキュリティの課題を解決しなくてはならない。OPTiM Storeでその課題を解決すると共に、産業ごとに最適なアプリやサービスが入手できるプラットフォームを提供することで、アプリのエコシステムを構築していきたい」と述べた。

上半期中にバイオメトリクス認証に対応する
今後はビジネス上のさまざまなシーンでバイオメトリクスによるシングルサインオンを実現する

(藤本 京子)