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「2016年はオールフラッシュ元年」、EMCジャパンが新ストレージ2製品を発表

「VMAXオールフラッシュ」と共有型NVMeフラッシュストレージ「DSSD D5」

 EMCジャパン株式会社は2日、ミッションクリティカルシステム向けストレージ「VMAXシリーズ」における、オールフラッシュストレージ特化製品「VMAXオールフラッシュストレージ」と、エンタープライズ向けの超高速な共有型NVMeフラッシュストレージ「DSSD D5」の、2つのオールフラッシュストレージ製品を発表した。

 米国で2月29日に発表された製品の日本での発表であり、いずれも3月2日から提供開始となる。

最大1000万IOPSの共有型NVMeフラッシュストレージ「DSSD D5」

米EMC アジア太平洋地域および日本 DSSD部門セールス&事業開発 ディレクターのマイケル・レオン氏

 DSSD D5は、データ解析などの超高速なストレージI/O性能が必要な用途に向けた製品だ。最大1000万の高IOPS、100μ秒の低レイテンシ、100GB/sの高スループットをうたっている。

 米EMCが2014年に買収したDSSD社の技術が元になっており、EMCとしては新カテゴリーの製品となる。EMC アジア太平洋地域および日本 DSSD部門セールス&事業開発 ディレクターのマイケル・レオン氏は、「“D5”という製品名は、DSSDと5Uサイズに由来する」と説明した。

 サーバーにPCIe(PCI Express)インターフェイスで接続する、NVMeと呼ばれる超高速なフラッシュストレージでありながら、複数のサーバーから接続できる共有ストレージとなっている。これにより、サーバーアタッチフラッシュの性能と、ストレージアレイの共有性や拡張性などを両立している。

 フラッシュモジュール36枚を搭載。これらはSSDではなく、モジュールに分けられているのはホットスワップのためで、システム内部ではモジュールではなくNANDチップ単位で管理されているという。容量は36TB、72TB、144TBが用意される。

 デュアルポートPCIe Gen3×4(計8レーン)の高帯域での接続が特徴だ。サーバーとは独自開発のケーブルで接続する。ケーブルは1メートル、2メートル、3メートル、4メートルの4種類の長さの銅線ケーブルが用意される。10メートルと15メートルの光ファイバーケーブル接続も予定されているという。

 また、コントロールモジュールの冗長化や、独自のスペースタイムガベージコレクションアルゴリズム、3次元RAIDなどにより、エンタープライズレベルの信頼性を持つとのこと。

PCIe接続のNVMe共有ストレージ「DSSD D5」。最大1000万の高IOPS、100μ秒の低レイテンシ、100GB/sの高スループットをうたう

 サーバーのソフトウェア面でも、通常のブロックデバイスのようなOSカーネル内でのオーバーヘッドを避け、DMAチャネルによりユーザー空間の「libflood」ライブラリから直接アクセスするようになっている。ネットワーク分野におけるIntel DPDKに似たアプローチだ。

 ローンチ時点の現在ではLinuxにのみ対応しており、今後Windowsや仮想化ハイパーバイザーにも対応していくという。すでにHadoopディストリビューションベンダーのClouderaが、HDFSでlibfloodに対応している。RDBMSなどの従来のソフトウェアからも、ブロックデバイスのエミュレーションを介してアクセスできる。

 レオン氏は、「従来は高帯域幅のために多数のストレージを並べる力技を使っていた。DSSD D5は、同じ帯域幅が必要だがそこまでの容量は必要のない用途向けに、5Uサイズで実現することで、スペースとTCOを削減する」と説明。Hadoopでは1/3のストレージで10倍高速、Oracleデータベースでは最速プラットフォームと比べて1/3のTCOで3倍高速というデータを示した。

OSカーネルをバイパスしてユーザー空間からDMAチャネルで直接接続
同じ広帯域を、1/25のスペースと2/3のTCOで実現する
Hadoopでは1/3のストレージで10倍の速度
Oracleデータベースでは最速プラットフォームと比べて1/3のTCOで3倍の速度

オールフラッシュに特化して管理をシンプル化した「VMAXオールフラッシュ」

EMCジャパンの永長純氏(システムズエンジニアリング本部 プロダクトソリューション統括部 統括部長)

 VMAXオールフラッシュは、基幹システムなどミッションクリティカルシステムで使われるストレージ製品VMAXシリーズのオールフラッシュモデルだ。「EMC VMX 450」と「EMC VMX 850」の2製品からなる。EMCジャパンの永長純氏(システムズエンジニアリング本部 プロダクトソリューション統括部 統括部長)は「VMAXにフラッシュをフル搭載したのとは、まったく別物の製品」と説明した。

 従来のVMAX製品と大きく異なるのが、シンプルなストレージ管理だ。これまでのワークロードごとに最適化したプロビジョニングのかわりに、パフォーマンスと容量だけを考えてパッケージ化されたアプライアンスを追加することで、柔軟かつシンプルにスケールアップやスケールアウトができるという。

 3D NANDフラッシュを搭載し、最大4ペタバイト(PB)まで拡張可能。ソフトウェアパッケージは、基本OSにローカルレプリケーション機能を持つ「450F/850」と、そこにリモートレプリケーションやSRDF/Metro、暗号化、ファイルサーバー機能などを加えた「450FX/850FX」の2種類のみにシンプル化されている。インラインデータ圧縮機能は、後からサポート予定。メインフレームには3月中に対応だ。

 なお、EMCにはすでにオールフラッシュストレージ専用ディスクアレイとしてXtremIOがある。永長氏によると、両者を比較した場合、XtremIOはデータベースなど一つの用途で使うのが主であり、VMAXオールフラッシュは基幹システムや多様なワークロードの混在、メインフレームなどをカバーするという。

VMAXオールフラッシュストレージ。VMAXにフラッシュストレージを搭載しただけではなく、構成などもオールフラッシュに特化し管理をシンプル化
パッケージ化されたアプライアンス2種類により柔軟かつシンプルにスケールアップやスケールアウト

 2製品の発表にあたり永長氏は、「2016年はオールフラッシュ元年」として、SAN市場におけるハードディスクとフラッシュの普及率の転換点にあると主張した。さらに、フラッシュストレージのコスト低減により、TCOではフラッシュに軍配が上がるとし、「フラッシュを使わない理由はない」と説明。「将来はEMCのプライマリストレージ製品はすべてオールフラッシュ化する。HDDは大容量なアーカイブ目的となる」と語った。

SAN市場でハードディスクとフラッシュの転換点にあるという図
フラッシュストレージのコストの転換点にあるというグラフ

(高橋 正和)