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富士通、マルチクラウド環境を統合管理する「Cloud Services Management」

 富士通株式会社は27日、マルチクラウド統合管理サービス「FUJITSU Cloud Services Management」およびソフトウェア「FUJITSU Software Cloud Services Management」(以下、Cloud Services Management)を発表した。同日より販売開始する。また2015年度第3四半期より、欧州をはじめ順次グローバルに展開していくとのこと。

 今回発表された「Cloud Services Management」は、企業や組織内で利用部門や業務ごとに乱立するクラウド環境を一元管理するためのもの。プライベートクラウドやパブリッククラウドなどのマルチクラウド環境において、全社的な利用状況や契約、コストなどを一元管理する機能やポータルを提供する。

 具体的には、情報システム部門が各社の提供するクラウドサービスを、自社のクラウド導入ポリシーやセキュリティポリシー、各システムに必要なサービスレベルに合わせてシステム構成や機能にまとめ、社内向けのクラウドサービスメニューとして「Cloud Services Management」のポータルに登録できる。部門や業務に応じて表示するサービスメニューを個別に設定可能なため、組織の運用方針やセキュリティポリシーを順守した利用を促すことができ、全社的なITガバナンスの強化が可能になるという。

 一方の利用部門は、自部門の業務に合わせて設定されたサービスメニューの中から必要なサービスを選択し、ワークフローによる承認を得るだけで、簡単にサービスを利用開始できる。

管理用ポータル画面
利用部門向けポータル画面

 また情報システム部門は、サービスメニューごとに利用料金を設定でき、単価や時間などの課金単位、初期費・月額費の区分を指定可能。業務単位や組織階層単位で、利用量や料金などを表示するレポートも作成でき、レポートを活用して、利用状況の分析や利用実績に基づくクラウド利用のアドバイスを行えるとのこと。さらに、情報システム部門が各クラウドサービスと一括契約することで、戦略的なクラウドの活用やクラウド全体の利用量、コストの見える化が可能となり、IT投資の全体最適化を実現するとした。

 富士通では、ユーザー企業の要件に応じて、最適なクラウドの選定やサービスメニュー作成、各種設定・運用代行など、「Cloud Services Management」の導入・運用を支援。これにより、マルチクラウド環境の迅速な導入から最適な運用管理までをトータルでサポートする。

 価格(以下、すべて税別)は、サービスとして利用する場合、初期費用が120万円から、月額費用が70万円からで、9月15日より提供を開始する。

 ソフトウェア形態で提供する場合は、仮想サーバー30ライセンス分で73万1000円から。9月1日より提供開始となる。対応OSは、Windows Server 2008 R2/2012/2012 R2。

石井 一志