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JAL、NTT Com、東レ、IoTを活用した空港作業者安全管理サービスの実証実験を実施

 日本航空株式会社(JAL)、NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)、東レ株式会社の3社は17日、空港での屋外作業者が安全に働ける環境の整備を目指し、IoTを活用した安全管理システムの共同実証実験を開始すると発表した。

 実証実験は、空港の地上エリアにおける作業者の体調管理や安全確保といった課題の解決を目的として実施。JALが、クラウドベースの安全管理システムを開発したNTT Comと共同で、東レが開発した機能繊維素材「hitoe」ウェアやトランスミッターなどを活用し、沖縄県那覇空港の地上エリアでの作業者の心拍数などのバイタルデータのリアルタイム取得や分析、遠隔モニタリングの有用性についての実験を行う。

共同実証実験イメージ図
対象作業者イメージ

 空港のグランドハンドリング業務(荷物の輸送や航空機誘導などの空港地上支援業務)従事者を対象に、暑さ対策に関する検証を開始し、その後、他エリアの空港において、暑さ対策以外の体調管理(熱ストレス、リラックス度、運動強度、消費エネルギーなど)の検証を進める予定。

 東レが、NTT Comと共同で事業化を目指す作業者安全管理サービスは、主に「hitoe」ウェア、トランスミッター、安全管理システムから構成される。「hitoe」ウェアより取得できるバイタルデータの活用に加え、トランスミッターに内蔵した三軸加速度計により、着用者が転倒状態にないかを推定することも可能となる。今後はGPSやビーコンの活用により、着用者の位置情報取得機能の開発も検討し、労働環境以外にも、福祉介護施設や自宅での高齢者見守り分野などでの活用を目指す。

 サービスは、10月中旬に予定されている東レ機能製品事業部の展示会「UNIFORM ENERGY」(東京:10月14日~15日、大阪:10月21日~22日)と、ドイツで開催される「A+A 2015 国際労働安全機材・技術展」(デュッセルドルフ:10月27日~30日)に出展予定。

 今後は、実証実験の結果を踏まえて、JALはシステムの導入を検討する。また、幅広い業界・職種での導入を目指し、東レが今年度中にサービスの事業化を図る。

三柳 英樹