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51の高専などでクラウド基盤を共同利用、「融合キャンパス」実現へ

豊橋技科大、長岡技科大、国立高専機構が連携

 国立大学法人 豊橋技術科学大学(以下、豊橋技科大)、国立大学法人 長岡技術科学大学(以下、長岡技科大)、独立行政法人 国立高等専門学校機構(以下、国立高専機構)は、株式会社日立製作所(以下、日立)の協力の下、3機関に所属する国内外の学生・研究者向けに、教育研究用クラウド基盤「広域連携教育研究用情報システム(以下、本システム)」を導入し、3月24日から共同利用を開始した。

 文科省 国立大学改革強化推進事業「三機関が連携・協働した教育改革」として、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、国立高専機構が全国に設置している51の高等専門学校(以下、高専)と、海外の関連拠点をネットワークで結び、世界を実習工場ととらえてグローバルな視点からイノベーションを生み出す「融合キャンパス」の構築を推進。技科大と高専の整合した連続性を持つ「教育プログラム」の開発・実践を進めているという。

【お詫びと訂正】

  • 初出時、高専は「3機関が全国に設置している」としておりましたが、「国立高専機構が全国に設置している」の誤りです。お詫びして訂正いたします。

 この一環として、最先端の情報処理技術を備えた教育研究環境を効率的に学生・研究者へ提供するため、豊橋技科大が本システムを導入。大規模シミュレーションを実行するためのクラスタ環境、ビッグデータの高速な分析を可能にするHadoop環境などを共通認証基盤によりオンデマンドに提供する環境を整えた。同環境を3機関で共同利用することで、教育・研究を支援し「融合キャンパス」の実現に寄与するという。

本システムの概念図

 なお、本システムを構成する一部のサーバーにはアクセラレータとして最新のXeon Phiコプロセッサ5110Pを合計36コア搭載しており、システム全体で約95.2TFLOPSの総合理論演算性能を実現している。さらに各施設に分散して設置されていた多数の物理サーバーを集約するための仮想サーバー環境も備える。

 その構築にあたっては、日立のスパコンやクラウドに関する技術を活用。テクニカルサーバー「HA8000-tc/HT210」を中核とし、Hadoop環境や仮想サーバー環境などをオンデマンドで提供するためのクラウド基盤を構築する「日立クラウド基盤導入ソリューション Powered by Apache CloudStack」を適用している。

本システムの外観

川島 弘之