独SAP、経費精算ソリューションの米Concurを約83億ドルで買収へ

　独SAPと米Concur Technologies（以下、Concur）は18日（現地時間）、SAPの子会社である米SAP AmericaがConcurを買収することで合意したと発表した。1株あたりの買収額は、9月17日の終値に20％上乗せされた129ドルで、Concurの企業価値を約83億ドルと評価しているという。買収手続きは2014年第4四半期あるいは2015年第1四半期に完了する見込み。

　Concurは、企業向け出張費管理ソフトを手掛ける企業で、従業員数は約4200名。150カ国にわたり、2万3000以上の顧客と2500万人のアクティブユーザーを擁している。国内でも、日本法人を2011年の初めに設立し、クラウド型の経費管理ソリューション「Concur Expense」などを日本語で提供。先日、アビームコンサルティングとの提携も発表されていた。

　なお、SAPはクラウド型経費精算ソリューションとして「Travel＆Expense」を提供しているが、今後Concurのソリューションに移行する考え。豊富なTravel＆ExpenseのデータセットとSAP HANAプラットフォームにより、Concurユーザーもビジネス経費における分析が可能になるという。また、Concurの顧客のうち30％がSAPを導入している一方、SAPの顧客の多くはConcurを導入していないため、SAPグループとして拡大する機会があるとしている。