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日立がスパコンサーバー「SR24000」、科学技術計算に約1.6倍の性能発揮

早大がヒューマノイド研究開発で先行導入

SR2400シリーズ

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、流体解析や気象予測などの大規模シミュレーションに高い性能を発揮するスーパーテクニカルサーバー「SR24000シリーズ」を製品化し、9月17日より販売する。

 新製品は、ハードウェア性能の向上や独自の運用ノウハウやソフト技術の組み合わせにより、スーパーコンピュータシステム(以下、スパコン)の性能を最大限に引き出し、大量データを用いた科学技術計算の迅速な処理を可能にするというサーバー製品。

 流体解析、気象予測、防災科学、素粒子研究、生命科学、新材料開発など幅広い領域の科学技術計算のほか、IoTなどセンサーを介して社会インフラから得られる大量データを解析する用途も想定する。そのため、プロセッサ性能のみならず、大量データを格納できるメモリ容量や、そのデータをプロセッサへ高速に供給するメモリ転送速度などを向上した。

 具体的には、高集積で大規模なシステム向けに2UシャーシにPOWER8プロセッサ(3.42GHz)を最大20コア搭載できる「XP1」と、高い単体性能が求められるシステム向けに4UシャーシにPOWER8プロセッサ(3.52GHz)を最大24コア搭載できる「XP2」の2モデルを用意。最新プロセッサの搭載や、ノードあたりのメモリ転送速度を従来モデル比で約2.8倍となる384GB/秒に向上するなどして、従来モデル比で約1.6倍に実効性能を強化した。

 さらにInfiniBandによるノード間ネットワークを高速化し、従来モデル比約3.3倍となる54.2GB/秒のノード間データ転送速度を実現。これらにより、大規模シミュレーションなどの科学技術計算の迅速な処理を可能にした。

 ソフト技術面では、従来から提供している自動演算並列処理技術「自動並列化コンパイラ」「クラスタ管理技術」、分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」などを組み合わせ、「SR24000シリーズ」の性能をシステムとして最大限に引き出すよう設計したとのこと。

 価格はXP1/XP2ともに個別見積もり。12月1日より出荷する。

 なお、新製品は早稲田大学 理工学術院に先行導入され、博士課程教育リーディングプログラム「実体情報学」における計算機システムとして、ヒューマノイド、医療用ロボットなどに使われる各種アプリケーションの高速化などでの利用が決まっている。

【お詫びと訂正】初出時、製品名を「SR2400」としておりましたが、正しくは「SR24000」です。お詫びして訂正いたします。

川島 弘之