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高島屋、美術品など約2万点の収蔵資料をデジタル化

Takashimaya archives

 富士通株式会社は9日、株式会社高島屋にデジタルアーカイブシステムを提供し、美術品などの収蔵資料のデジタル化を実現したと発表した。

 構築したのは、「高島屋のあゆみ」「美術収蔵品」「広告・宣伝」「広報・CSR活動」「社内文書・資料」など、約2万点におよぶ高島屋に関わる創業180余年の経営資産をデジタル化し、全社員が社内PCから閲覧できるシステム。

 高島屋の史料館(大阪)で収蔵・展示され、社員が容易に参照できなかった作品・資料を、社員の自席から年代別・カテゴリ別などで簡単に検索・閲覧できるようにした。先人がどのような商いをしてきたのかという「高島屋DNA」の継承を促進するほか、新入社員への教育利用、プロモーション用途してのデータ活用、各店舗での催事用データとしても利用する予定。

 また、「Takashimaya archives」として一般公開も始まっている。

創業180周年の高島屋、収蔵品閲覧の課題

 2011年に創業180周年を迎えた高島屋。大阪の史料館には、明治初期から京都画壇の巨匠をはじめとし、日本を代表する美術家の名品、18世紀の能装束、呉服催事百選会・上品会の着物など文化的価値の高いものや、歴史的価値の高い戦前のポスター、社史、専門書など約2万点の経営資産が収蔵されている。今まで閲覧するためには、直接大阪の史料館に行かなければならず、古い資料などは保護の観点から容易に閲覧できるものではなかった。

富士通の収蔵品管理システムを採用

 アーカイブシステム構築に採用したのは、「FUJITSU 博物館・美術館ソリューション 収蔵品管理システム Musetheque(以下、Musetheque)」。Webブラウザで利用できる収蔵品管理システムだ。XML型データベース検索エンジン「FUJITSU Interstage Shunsaku Data Manager」を搭載し、柔軟性の高い超高速検索が可能なため、約2万点のデータもスムーズに検索できるという。

川島 弘之