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医療機関と薬局で“処方せん”を共有、別府市の44施設で実証へ

より広域での共有も視野に

 大分・別府市で医療情報の電子化を進める「別府 処方せんの電子化に向けた実証実験コンソーシアム」は、富士通株式会社が提供する調剤履歴情報共有サービスを採用。別府市の医療機関・薬局44施設において、2月より利用を開始した。

 同コンソーシアムでは、2013年2月~3月の期間、「処方せんの電子化実証事業」として、処方せんを発行した医療機関とその調剤を行った薬局の間で、処方せんに係る情報の共有を行った。今回、その実証事業を別府市内の医療機関14施設、薬局30施設に拡大し、計44施設間で医師と薬剤師が調剤履歴情報を共有できる仕組みを構築した。

 これにより、医師と薬剤師は、処方・調剤時に薬の重複や、複数の薬の飲み合わせによる相互作用などを確認でき、患者はより安心して薬を服用できるようになるという。将来的には、災害時における患者への治療継続や、救急の処置時に患者の服用情報を参照するなどにも期待がかかる。

 今回、患者がほかの医療圏に移動することを想定し、異なる医療圏間で処方に係る情報を共有する仕組みについても、島根県で医療情報ネットワークを推進するNPO法人 しまね医療情報ネットワーク協会と研究・実証を行っている。

実証事業に参加する医療機関、薬局

・医療機関:14施設

国家公務員共済組合連合会 新別府病院、国立病院機構 別府医療センター、大分県厚生連 鶴見病院、岡田眼科医院、かめがわ耳鼻咽喉科、河野小児科医院、別府中央病院、堀循環器科内科クリニック、渡部内科循環器科クリニック、吉賀循環器内科、渡邉医院、矢田こどもクリニック、別府市医師会地域保健センター(夜間こども診療)、青山整形外科クリニック

・薬局:30施設

古戦場薬局、ふれあい調剤薬局、後藤薬局亀川店、セスナ荘園薬局、薬剤師会調剤薬局、みうら薬局、藤島調剤薬局、キムラ薬局、よろずや薬局、キムラ薬局亀川店、太陽調剤薬局(北的ヶ浜店)、太陽調剤薬局(鶴見店)、りんご薬局、後藤調剤薬局、アルファ薬局、日伸薬局、永冨調剤薬局別府秋葉通り店、ヨシムラ薬局鶴見病院前店、のぞみ調剤薬局別府店、グリーン薬局、石垣薬局、B-スポーツ薬局、セスナ薬局千代町店、青山薬局、新みなと町薬局別府店、ふくだ薬局、中央薬局、くろーばー薬局、輔仁薬局新別府前店、春木薬局

川島 弘之