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水道メーター情報を活用した高齢者見守り、クオリカがサービス化へ

 クオリカ株式会社は、岐阜県郡上市のNPO法人・つくしん棒と共同で、水道メーター情報を活用した高齢者見守りシステムの実証実験を発表した。郡上市の一人暮らしの高齢者世帯において、2013年6月より半年間、実証実験を実施。一定の成果が得られたため、正式なサービス提供に向け今後、仕組みの拡充、メニュー化を進めるとしている。

 高齢化の進む日本では、一人暮らし高齢者の孤独死が社会問題となっており、全国各地でさまざまな取り組みが行われている。例えば、電気やガスを利用したモニタリングや、扉の開閉をセンサーで感知するものなど、さまざまな見守りサービスが提供されている。

 今回の実証実験は、ライフラインである水道の利用量をモニタリングすることで高齢者世帯の安否を含めた生活リズムを把握し、高齢者の生活支援を行うもの。クオリカが主に産業機械の予防保全向けに提供しているクラウド型M2Mサービス「CareQube」を応用し、水道メーターの情報を収集している。

CareQubeを活用した見守りの仕組み

 水道の利用量データは、3G回線を通してリアルタイムにクオリカのデータセンターに収集され、その情報はWebからいつでも確認できる。また、別世帯で暮らす親族や地域の見守りボランティアなどの関係者に、水道利用情報を定期的にお知らせメールとして配信する機能や、見守り世帯の住所を地図に表示したり、水道利用量をグラフで表示したりすることが可能な管理機能も備える。

水道利用量のグラフイメージ

 クオリカによれば、水道の利用量を用いた見守りの取り組みはほかにもあるが、利用料金や通信状況によりデータが途切れることなどが課題だった。一方、CareQubeを活用した今回の仕組みは、クラウドサービスとして提供されるため、水道メーターに設置する機器の料金、初期設定費用、そして月々の利用料だけで、安価にデータの収集から分析、活用まで利用できる。また、CareQubeには通信が途切れた場合でも機器内部にデータを蓄積する機能を備えるため、通信状況が悪くても、データの一時的な欠落なく情報を収集できるという。

川島 弘之