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富士通、リアルタイムな情報利活用を支援する高速ETL製品~DMExpressのデータ加工技術を採用

 富士通株式会社は7日、データ収集・統合ソフトウェアの新エディション「FUJITSU Software Interstage Information Integrator V11」のラインアップに、「同 Enterprise Edition」を追加すると発表した。米Syncsortの「DMExpress」の高速データ加工技術と、富士通の高速データ転送技術を融合した製品で、同実より販売を開始する。

 「FUJITSU Software Interstage Information Integrator Enterprise Edition V11」は、既存の「Standard Edition」で提供済みの高速データ転送技術と、DMExpressの高速データ加工技術を融合したETL(Extract/Transform/Load)製品。リアルタイムな情報利活用に求められる、大量の最新データの転送と加工を高速に処理可能なため、遠隔地や通信回線の品質が低い地域からでも大量のデータを短時間で収集できる。これを、基幹系データをさまざまなデータと組み合わせて高速に加工することで、ユーザーの情報利活用を支援するという。

 大手小売業を想定した例では、国内全店を対象にした売れ筋分析をシミュレートする12GB、2400万件のPOSデータの転送・加工処理の時間を、従来製品の1/9(4時間25分から31分)に短縮できたとのこと。これにより、刻々と変わる全国各地の売れ筋商品を把握し、天候変化や交通状況などを加味した販売施策を、地域・店舗に応じて時間単位、商品単位で推進できるようになる。

 また、FUJITSU Software Symfoware ServerやOracle Database、SQL Server、SAP Sybase IQなど、12種類以上の主要なデータベース、データウェアハウス(DWH)、SAPをはじめとするERPなどとの多くの連携実績を持つ点も特徴。GUIの定義ベースで、既存の業務システムに影響を与えることなく、データ活用の基盤を構築できるという。

 分析についても、「FUJITSU Software Interstage Business Analytics Modeling Server」をはじめとするBAツールを使った専門的な分析から、スマートデバイスを使った、現場業務での情報の見える化まで、さまざまな情報活用の形態に対応する。

 さらに、エントリーサーバーからハイエンドサーバーまで、あるいはオンプレミスからクラウド環境まで、プラットフォームの特性に応じた性能を最大限に引き出して動作するとのことで、ハードウェアのリソースや入力データの形式を分析して、最適な割り当てを自動計算し、最も効率的にマルチコアで並列実行する機能を備えた。Standard Editionと比べた場合、コアの性能を従来の170%引き出せるほか、ディスクアクセスも1/10に削減できるので、効率的に処理を実行できるとしている。

 ライセンスはコアライセンスの形態を採り、運用ノードは275万円(税別)から、待機ノードは150万円(税別)から。

石井 一志