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徳島県がクラウド名刺管理「Sansan」を導入、人脈の可視化で営業強化

 徳島県は25日、Sansan株式会社のクラウド名刺管理「Sansan」(旧リンクナレッジ)を導入したと発表した。県庁内の人脈を可視化し有効活用することで営業機能を強化し、PR活動の促進を目指す。

 徳島県では、近年全国屈指のブロードバンド環境(CATV世帯普及率:88.9%全国1位)を生かし、デジタルコンテンツ産業の集積や都市部からサテライトオフィスの誘致を推進している。また、2014年実施予定の本四高速への全国共通料金導入を見据え、より積極的に攻めの営業活動をしていく必要性があったという。

 そのための課題となっていた、1)各職員が築き上げている人脈が、毎年ごとの人事異動により十分活用できていない点、2)名刺が個人の管理になっているリスクと事務効率の悪さ――を解消し、営業機能を強化するため、Sansanを導入した。自治体では全国初の事例となる。

 Sansanは、「営業を強くする名刺管理」をコンセプトに、組織内に眠った名刺を営業活動に使える資産に変えるサービス。徳島県では各職員が管理している名刺情報を共有することで人脈を可視化・共有し、人事異動後も引き継いでいくことで、より広い関係を構築できると考える。

 具体的な効果として、交渉経緯などが一目瞭然(りょうぜん)となる名刺交換の記録やコンタクト履歴、名刺交換した相手の企業情報や人事情報が入手できるニュース機能などにより、効率的な営業活動が可能となる。また、名刺管理、業務報告書などの省力化などが期待される。

 県の営業活動は農林水産物のPR、観光誘致、企業誘致と対象が幅広く、関係者も県民、県人会、旅行代理店などの民間企業、国・自治体など多岐にわたる。徳島県はSansanを活用してこれらのステークホルダーときめ細かく接点を持ちながら継続的に関係を構築し、県の認知度向上を目指す。

川島 弘之