NCLCがNTTデータと仮想ネットワーク分野で提携、OpenFlowスイッチとHinemosの連携ソリューションを提供


NCLCの仮想ネットワークソリューション

 エヌ・シー・エル・コミュニケーション株式会社(以下、NCLC)は28日、株式会社NTTデータと仮想ネットワークソリューションの提供について提携すると発表した。これに伴いNCLCでは、NTTデータの統合システム管理ツール「Hinemos」のソリューションパートナー契約を締結。自社が取り扱う米Pica8のOpen Flow対応スイッチと組み合わせたソリューションを提供する。

 ネットワーク管理の複雑化が企業の管理コストを押し上げる昨今の状況を解決するため、SDN(Software-Defined Network)が注目を集めるようになっており、その中でも特に標準規格であるOpenFlowの活用についての関心が高まっている。そうした背景を受けてNCLCでは、2012年3月にSDNを推進する業界団体Open Networking Foundation(ONF)に加入したほか、国内で初めてPica8のスイッチ「Prontoシリーズ」の販売代理店になるなど、OpenFlowソリューション提供の体制を整えてきた。

 こうしたNCLCの取り組みもあって、「当社のお客さまでは、大学・データセンターを中心に16サイトでの実証実験や試験導入が行われており、オープンソースのOpenFlowコントローラとの連携で利用されている」(NCLC 代表取締役の関根尚氏)という状況があり、国内でもOpenFlow活用の気運は高まってきているのだという。


NCLC 代表取締役の関根尚氏Pica8のスイッチ「Prontoシリーズ」の特徴

 しかし、OpenFlowの活用を希望するデータセンターや企業に採用してもらうためには、エンタープライズクラスの品質やサポート体制の提供は必須であり、こうしたことを踏まえて、先進的なOpenFlow対応製品を持つNTTデータとの提携を行うことにしたと、関根氏は説明する。

 そのNTTデータが提供しているHinemosは、仮想/物理環境を含めたさまざまなITシステムを統合的に管理できるツールだが、2012年6月に「仮想ネットワーク管理オプション」によるOpenFlowへの対応が発表されており、仮想ネットワークについてもGUIを用いて容易に設計・管理できるようになった。今回、そのHinemosの再販契約をNTTデータと締結したことで、NCLCはPica8のスイッチとHinemosを組み合わせた、実用的なOpenFlowソリューションの提供を行うことができる。


Hinemosとの連携による価値仮想ネットワーク管理オプションの導入イメージ

 関根氏は、商用レベルのOpenFlowに関するサポートを提供しているベンダーが少ない中で、この提携は大きな意義を持つとアピールした上で、「製品の販売、サポートとともに、仮想ネットワークの構築・運用支援を提供し、仮想ネットワークの運用管理ソリューションモデルの提供に力を入れていく。また、OpenFlow/SDNのアプリケーションの開発についても今後積極的に行っていきたい」と述べ、他社との差別化を図る考えを示した。

 なお、NCLCによるHinemosの再販価格は、基本ライセンスとVM管理オプション、仮想ネットワーク管理オプションを組み合わせて導入する場合で、初年度が620万円(税別)から、次年度が290万円(税別)から。またPica8のスイッチは、Gigabit Ethernet(GbE)×48、10GbE×4の「P-3290」で33万円(税別)から。

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