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JEITAがユーザー企業調査、IT投資の絞り込みがクラウドにプラスに働く?

2012年度はIT-BCPに対する投資も加速する年に


 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は28日、同協会では、ユーザー企業を対象にIT投資動向などについて調査した「ITユーザートレンド2011」について発表した。

 同調査は、1999年から同協会が継続的に調査しているもので、今回は、2011年12月に調査を実施。260社からの有効回答を得ている。

 これによると、2011年度のIT投資は、国内経済の低迷により、IT投資は抑制傾向にあり、「IT投資が前年に比べて増加」と回答した企業は、2010年度に35%だったものが、2011年度には25%と減少した。また。2012年度は、増加すると回答した企業が23%にまで減少。一方で、前年に比べて「IT投資が減少した」と回答した企業は、2011年度の22%に比べて、2012年度は26%と増加した。

 また、注目するIT関連テーマでは、前年調査同様、「ネットワークセキュリティ」が最も多かったが、2位には前年調査で5位だった「BCP(事業継続計画)」が入り、さらに9位だった「外部データセンターの活用」が7位に、「システムの省電力化」が16位から11位へと順位をあげた。

 「ネットワークセキュリティに対する注目度は常に高い。また、BCP対策や省電力に対する意識が高まっている。バックアップサイトを活用する、あるいはより強固なデータセンターを利用するといった動きが出ている」(JEITA サーバ市場専門委員会の西崎亨副委員長)という。


JEITA サーバ市場専門委員会の西崎亨副委員長(=三菱電機インフォメーションテクノロジー テクノロジー・サービス事業本部テクノロジー・サービス営業統括部長) ユーザーの調査範囲
2011年の投資スタンス IT化関連テーマの注目度

 企業におけるサーバー、ストレージの保有率では、Windowsを搭載したIAサーバーが88%と前年調査に比べて3ポイント増加。Linux搭載IAサーバーが1ポイント増の44%、外付けストレージが7ポイント増の63%となった。メインフレームおよびオフコンは前年から変わらず、それぞれ30%、23%。UNIXサーバーは1ポイント減の26%となった。

 ブレードサーバーでは、年々活用比率が上昇しており、今回の調査では38%の企業で利用済みと回答。特に1000人以上の企業では60%が利用済みと回答しており、大企業を中心に活用が進んでいることを示した。


サーバーの保有率 ブレードサーバーの活用状況

 また、サーバー統合および仮想化への取り組みも加速しており、サーバー統合では56%の企業が、仮想化では42%の企業が取り組んでいるという。


サーバー統合、仮想化への取り組みの推移

 一方、今回の調査では、IT-BCP(情報システムの事業継続計画)およびクラウドコンピューティングに関する活用意識について、重点的に調査を行っている。

 2011年度にIT-BCPへの投資を増やすとした企業は20%であったのに対して、2012年度には「増加する」と回答した企業が32%と約3分の1にまで増加。「2011年度にはIT-BCPに対する新たな投資の動きは少なかったが、2012年度は増加傾向が強まると考えられる。業界として、こうした動きをしっかりととらえていく必要がある」(西崎副委員長)などとした。

 特に、データバックアップ体制やディザスタリカバリ体制の見直し強化、連絡手段・情報網づくりの強化、事業継続への意識向上や予算確保、外部アウトソーシングやクラウドサービスの活用といった点で、投資の優先度が高くなっている。

 実際、震災前と震災後では、「テープでデータバックアップし、安全な場所に保管」といった取り組みが注力ポイントとして最も多かったが、震災後は、それが大きく減少。「外部データセンターの利用」、「セカンダリサイトへのデータバックアップ」が、それぞれ1位と2位になった。「特に、外部データセンターをハウジングやホスティングで活用するといったことに対する意識がかなり高まっている」(西崎副委員長)とした。


IT-BCPへの投資動向 事業継続を意識したケースでの対応状況 IT-BCPの震災前後での取り組みの変化

 クラウドコンピューティングに関する調査では、パブリッククラウドに関しては、利用していると回答した企業が19%と、前年から1ポイント上昇しただけだったが、活用準備中や活用検討中、関心ありを加えると、「7割以上の企業が活用指向性を示している」(西崎副委員長)という結果が出た。

 SaaSの利用については、30%の企業が利用中か検討中であり、クラウドコンピューティングのなかでは最も多い比率となった。これに対して、PaaSは利用中と検討中をあわせて12%、IaaSは13%にとどまった。

 プライベートクラウドに関しては、パブリッククラウドほどの進展はないとするものの、利用中、利用準備中、利用検討中をあわせて24%となり、「利用が徐々に進んでいる」と分析。関心ありを含めると64%と、3分の2がプライベートクラウドの活用に関心をしていることを浮き彫りにした。

 さらに、クラウドコンピューティングの将来の方向性としては、SaaSのより活発な伸びが予想されるとしたほか、プライベートクラウドも仮想化との組み合わせによって、伸長すると予想している。

 SaaSでは、3年後までに28%の企業が導入すると回答。プライベートクラウドでは18%の企業が導入すると答えた。


パブリッククラウドの活用状況 SaaS/PaaS/IaaSの活用状況
プライベートクラウドの活用状況 クラウドコンピューティングの将来方向性

 今回の調査結果について、西崎副委員長は、「2012年度は、依然として国内経済が停滞していることに伴い、IT投資は停滞状況にある。だが、IT-BCPに対する投資は進むと予想できる。また、IT投資の絞り込みと効率化の追求によって、クラウドコンピューティングに対する需要が進むだろう。サーバーおよびストレージを提供するベンダーとしては、こうした需要に対して、適切に応えることができるソリューション提供を行う必要がある」とまとめた。

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