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ネットワールド、エイコーの全社仮想化基盤/VDI基盤刷新にNutanixとCitrix XenAppを導入

 株式会社ネットワールドは13日、株式会社エイコーの全社仮想化基盤とVDI基盤の再構築プロジェクトにおいて、ネットワールドが提供するハイパーコンバージドインフラ(HCI)の「Nutanix」と、アプリケーション仮想化ソリューション「Citrix XenApp(以下、XenApp)」が採用され、本番稼働を開始したと発表した。

 エイコーは、主要業務システムをVMware vSphereで仮想化し、Citrix XenDesktopとiPadの導入により、業務を効率化してきた。両基盤を支えるサーバー/ストレージが更新時期を迎えたのを機にHCIに着目し、再構築プロジェクトに着手した。

 従来の仮想化/VDI基盤は、国内ベンダー製のブレードサーバーと外部ストレージで構築されていたが、今後ITインフラのシンプル化や最適化を進めていく上で不可欠となるHCIとしてNutanixの採用を決定。旧環境では、2本のサーバーラックがともに約3分の2埋まっている状態だったが、2U筐体のNutanixにより従来のシステム環境をすべて収容して省スペース化でき、運用管理の効率化も図れた。

 また、VDI基盤は、毎年かかるMicrosoft VDAライセンス費用を削減することを目的に、Citrix XenAppに移行。エイコーでは、外出時の数分間だけアクセスして、顧客情報やメンテナンス情報の確認などを行う使い方がほとんどで、XenAppのライセンスは同時アクセス数分だけで済むため、約300台稼働しているiPadに対して、XenAppのライセンス数は60台分程度で充分だという。

 NutanixとXenAppによる新仮想化/VDI基盤は、2017年9月から段階的に本番稼働を開始。実質的な作業期間は初期設定で3日程度、既存業務サーバーの移行作業も5営業日程度で完了した。

 導入成果としては、旧環境ではVDIのユーザープロファイル情報の読み込みに時間がかかっていたが、Nutanix上に配置することで、ログイン時間を従来の5分の1以下に短縮でき、仮想化基盤上で稼働する業務システムのレスポンスも全体的に底上げされるなどのシステムの性能向上が図れた。

 仮想サーバーの作成時間も、旧環境では外部ストレージへのボリューム作成やOSインストール、仮想マシンの構築など面倒な手続きが必要で、小規模環境でも最低2営業日を要していたが、一体型のNutanixではこうした手間を大幅に省けるため半日足らずで同様の作業が完了するようになった。運用管理の面でも、従来は運用監視をサーバー/ストレージで別々に行う必要があったが、専用管理ツールの「Prism」による一元管理が可能となり、仮想サーバー作成なども行えるようになった。

 また、XenAppは軽微な変更であれば、マスターイメージの書き換えや再起動不要で即座に設定を反映できるため、新たなユーザーニーズにも即応できるようになった。従来、固定PCで行っていた倉庫内での発注関連業務を、XenApp+iPadで可能にする新たな仕組みの開発作業も効率よく行うことができ、今後も基幹システムの一部機能をXenAppで配信するなど、さまざまな形で活用を進める計画だという。

 エイコーでは、今回の社内導入で培った経験やノウハウを、今後の顧客へのソリューション提供にも活かしていきたいとしている。