【クラウドEXPO】月額200円から試せる企業向けクラウド「Office 365」レポート


 5月9日から11日まで、東京ビッグサイトにて第4回クラウド コンピューティングEXPO【春】が開催されている。今回は、日本マイクロソフトのブースで行われていたOffice 365に関するレポートを紹介する。


 

単なるOfficeアプリのクラウド版ではない

日本マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 ビジネスオンラインサービスグループ エグゼクティブプロダクトマネージャの米田真一氏

 Office 365は、月額200円(Exchange Online Kioskプランの場合)から導入でき、スマートフォンとも連携できるクラウドサービスだ。

 日本マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 ビジネスオンラインサービスグループ エグゼクティブプロダクトマネージャの米田真一氏は、Office 365について、「Office 365は従来製品の最新版でも後継でもなく、単純なクラウド版のOfficeではない。クラウド上にあるソリューションとOfficeを組み合わせて使うことにより、利用の幅が広がり、さらに仕事の効率を上げることができるソリューションだ」と語る。

 Office 365ファミリーには、クラウドベースの電子メール・予定表を管理できる「Exchange Online」や、クラウドベースの情報共有の共同作業を支援する「SharePoint Online」、インストール型のOfficeをユーザーベースの月額課金で提供するサービス「Office Professional Plus」、オンライン会議ソリューション「Lync Online」、クラウド版のOffice、CRMソリューション「Microsoft Dynamic CRM Online」がある。

 米田氏によれば、Office 365はこれらのクラウドソリューションとOfficeを統合的に使うことで効率的な業務を促進するソリューションであるという。

 具体的には、Outlookを使いながら、Lyncの機能をその場で使い、メッセージングを送ったりすることができる。自然な流れで、さまざまなソリューションを横断的に、統合的に使える点もOffice 365の強みとのこと。これが、オンプレミスを含めてさまざまなアプリケーションを提供してきた、日本マイクロソフトならではの価値、というわけだ。


Office 365とは?Office 365の構成サービスとメリット

 

信頼できる企業向けソリューションを低価格で

 これ以外に、Office 365の特徴は、大きく3つある。

 1つ目の特徴として米田氏は「高機能のソリューションを低価格で提供している点」を挙げる。月額200円で利用ができるExchange Online Kioskでは、1GBのメールボックスが利用でき、さらにPCのWebブラウザやスマートフォンから、メールや予定表を利用できる。

 また、米田氏は2つ目の特徴として「安心・安全」な点を協調する。クラウドというとセキュリティやプライバシー、またアップロードしたデータの保全性について懸念があると言われている。しかし、Office 365ではSLA(サービス品質保証制度)によって99.9%の稼働率を保証しており、さらにスパム、ウイルスを標準でブロックする機能も提供しているという。アップロードしたデータについても、同社がセキュリティやプライバシーについて、責任を持って守るというソリューションになっているそうだ。


月額200円からという低価格であっても、接続できる端末の制限、ポリシーによる利用ルール設定など、企業できちんと利用できるセキュリティ機能が搭載されているという

 

クラウドだからどこからでも使える

 3つ目の特徴として米田氏は「どこからでも使える」点を挙げる。Windows PCから使うことができるのは当然のこと、Macもサポートしているし、WebブラウザについてもInternet Explorerだけではなく、FirefoxやChrome、Safariなどの一般的なWebブラウザから利用することができる。また、近年増加しているスマートフォンやタブレットデバイスからもアクセスできるという。

 「Office 365は、いろいろな場所から、いろいろな方法で使うことができるSaaSのソリューションである」と米田氏は語る。

 また、月額200円のExchange Online Kioskを含め、アクセス管理がブラウザ上の管理画面から行うことができるそうだ。米田氏は、実際にWindows Phoneで同じアカウントでアクセスした場合と、iPhoneで同じアカウントでアクセスした場合に表示される画面の違いについてデモンストレーションを行った。

 加えて、Office 365の管理画面では、許可していない端末からのアクセスを検疫できる点も紹介。これらのアクセスの許可は、ブラウザで簡単に管理でき、個別のIDによる管理やスマートフォンの種類などによってフィルタリングも可能という。


会社支給のスマートフォンからは利用できても、私物のスマートフォンからの利用を制限する、といったセキュリティもかけられるこうしたアクセスの検疫は、Web GUIから簡単に設定できる

 

ワールドワイドでのスケールメリットを生かす

 Office 365はユーザー数が増加しており、プランEファミリーについては3月の中旬から価格が20%OFFとなっているそうだ。これはクラウドサービスならではの特徴と言えよう。

 また、ソフトバンク・テクノロジーが提供しているOnline Service GateとOffice 365を組み合わせることで、SSO(シングルサインオン)の機能やスマートフォンだけでなくPCの端末ごとのアクセス制御の機能なども追加できるそうだ。

 導入に際しては、クラウドの利点を取り入れつつ、オンプレミスの弱点を補強しながら導入するハイブリッドクラウド型による導入ができるのも特徴とのこと。


3月中旬に約20%の値下げを行ったソフトバンク・テクノロジーのOnline Service Gateを利用することで、セキュリティなどを向上させることが可能

 日本マイクロソフトのブースでは、Office 365のデモが行われており実際に体験ができる。またWindows Azureを中心としてクラウドソリューションやパートナー企業の事例などが紹介されている。Xbox360などが当たるタッチ&トライ抽選会といった企画もあり、講演も立ち見が出るほど盛況であった。


盛況の日本マイクロソフトブース

Office 365ブースではスレートPCを使ったデモもXbox360が当たる抽選会などを実施
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