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Linus Torvalds氏が登壇、「約10週間のリリースサイクルは続く」

LinuxCon Japan 2016レポート

コンテナ技術の業界団体CCNFの設立目的

 2日目の基調講演では、The Linux Foundationが設立したコンテナ技術の業界団体「Cloud Native Computing Foundation(CCNF)」と、その名前に含まれる「クラウドネイティブコンピューティング」について、CCNFのCOOであるChris Aniszczyk氏が説明するセッションも設けられた。

 Aniszczyk氏はまず背景を説明した。「すべての会社がソフトウェア会社になろうとしている」「データ量が増加する」「GoogleやFacebookなどのWebスケール企業が自社のI術をオープンソース化する」という、しばしば言われる3つの傾向をもとに、「多くの企業がWebスケール企業のようになる。その技術をわれわれは“クラウドネイティブコンピューティング”と呼んでいる」とAniszczyk氏は語った。

 クラウドネイティブコンピューティングの要素としては、「コンテナでパッケージ化されている」「動的にスケジュールされる」「マイクロサービス」の3つが挙げられた。GoogleなどのWebスケール企業では、膨大なノードのオペレーションを効率化するためにこうした技術を採用して自動化を進めているという。

 ただし欠点として、要素となる技術が多くなって混乱につながっており、これからさらに混乱する、という指摘もなされている。「この問題を解決し、調和とす標準化を進めるために、2015年にCNFが発表され、2016年1月に実動した」とAniszczyk氏は説明した。

 CNCFのガバナンスでは、技術とベンダーと利用者を分離して考える“政教分離”が掲げられているという。すでにSupernapとIntelが千ノード以上のプラットフォームを用意し、その上でテストや各種ソフトウェアのデプロイが行われている。

 CNCFでは、リファレンスアーキテクチャの中で、最初の技術としてリソーススケジューリングにKubernetesを選択したとAniszczyk氏は紹介。さらに2つめの技術として、モニタリングとのPrometheousを選んだと紹介した。

Cloud Native Computing Foundation(CCNF)のChris Aniszczyk氏
クラウドネイティブコンピューティングの3つの要素
Webスケール企業のコンテナ利用状況
CNCFの目的と概要
CNCFのガバナンス
リファレンスアーキテクチャ
1つめの技術:Kubernetes
2つめの技術:Prometheous