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Intelを脅かす? 注目のOpenPOWERサーバー

勢い増すOpenPOWER “Google効果”か

 OpenPOWERはRackspace加入のニュースとともに、ローレンス・リバモア国立研究所、サンディア国立研究所、ITサービスのAvnetなどの新メンバーを発表した。メンバー企業はこの1年で設立時の5社から80に増えたという。2015年春に初のイベント「OpenPOWER Summit」をカリフォルニア州で開催することも明らかにするなど、勢いを印象づけている。

 OpenPOWERは、サーバーで圧倒的シェアを占めるIntelにとって脅威となるのだろうか? GoogleがPOWER8マザーボードを披露する約1週間前、ForbesがOpenPOWERとPOWER8の動向を占う興味深い記事を掲載している。

 記事はまず、OpenPOWERについて、「『プロプライエタリなメインフレームにフォーカスしていた』IBMとは違う」とした上で、ARMがモバイルで構築したのと同じようなエコシステムを構築しようとしていると解説する。

 また、アクセラレーター向けの相互運用性の取り組みCoherence Attach Processor Interface(CAPI)によってさまざまなアクセラレーターが利用できる点は評価できるが、Intelのシェアは圧倒的だとする。モバイル分野で独占に成功したARMのような可能性を認めながらも、「“Google効果”なしには、(OpenPOWERの成功は)難しいだろう」と予想する。

 その“Google効果”が現れつつあるのだろうか? eWeekは、OpenPOWER設立当初は「遅すぎたという疑問もあった」としながら、OpenPOWERのプレジデントでIBMのフェロー兼POWERシステム担当バイスプレジデントを務めるBrad McCredie氏の話を紹介する。

 McCredie氏はここ1年のOpenPOWERの成果を強調して、8社から12社がPOWERベースのシステムを開発中と明かしている。「x86が独占的な技術となっている市場に参入する」「業界はIntelに変わる選択肢を求めている」とMcCredie氏は言い、価格性能比、エネルギー効率、エコシステムなどの重要な分野でx86に対抗しうるアーキテクチャとして、OEMやODMの選択肢になっているとしている。

 OpenPOWERがサーバー向けチップ分野の流れを変えるのか。モバイル、クラウドなどの技術がメインストリームに浸透していく中で、動向が注目される。

岡田陽子=Infostand