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車はスマホから呼び出すものに 配車アプリUberの野望

「シェア」の時代のマッチング

 uberXは、一般ユーザー同士のマッチングであり、GPS内蔵のスマートフォン/アプリと、ユーザー同士を結びつけるWeb サービス、オンライン決済の組み合わせで成り立っている。車を持っている人が空き時間に、運搬を提供して収益を得る。報酬は、基本料金+時間料金+距離料金の計算で受け取り、Uberに所定の手数料を支払う。

 ドライバーの実入りはというと、例えば、今年7月、Uberがニューヨークでの利用料金をタクシーよりも安く改定した際、登録ドライバーに、仕事が増えて効率が上がることで、「週に40時間、オンラインで待機すれば、最低で1000ドルの稼ぎを保証します」とメッセージを送っている。

 一方、乗客側は、自分の車を持つことなく維持費不要、いつでも安価に交通サービスを利用できる。その結果、交通渋滞が緩和され、省エネに貢献する――。「Sharing Economy」(共有型経済)をコンセプトとしているのだ。

 車なしでは生活できない米国だが、乗用車の維持費は高く、できれば保有はせずにいたい。また持っているなら有効活用したいというユーザーのニーズにマッチする。同様の仕組みのオンデマンド配車サービスは、ほかにもUberと街で競り合っているライバルLyftや、Sidecarなどがあるが、Uberが群を抜いて大きい。

 同社は、Google Ventures、TPG Capital、Jeff Bezos氏mなどから出資を受けて事業を拡大。今年6月には12億ドルを資金調達して、評価額は170億ドルに達した。これはTwitterの190億ドルに迫り、日本企業で比べると、任天堂(1.6兆円)、楽天(1.8兆円)クラスに当たる。

(行宮翔太=Infostand)