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ユーザー数に注目 転機迎えるTwitter

オンラインサービスの潮流の変化

 Financial Timesは、オンラインサービスに対する市場の評価ポイントが変化したとする記事を、Twitterの決算発表に合わせて掲載した。オンラインサービスの立ち上げモデルは、「ユーザーの獲得」 →「ユーザーのエンゲージ」→「マネタイズ」の3ステップで、これまでのオンラインサービスは、どうやってマネタイズするのかが最大の注目ポイントだった。しかし、このところ1と2のステップ、すなわち「ユーザーの獲得」と「エンゲージ」の重要性が高まっているという。

 この変化をもたらしたのはFacebookだ。「Facebookがソーシャルコミュニケーションの流れ(ストリーム)に広告を挿入しても、ユーザーが離れることはないということを初めて示した」とFinancial Timesは解説する。こうしてマネタイズの段階での問題が簡単にクリアされるとなれば、問題は最初の2ステップに焦点が定まる。

 そしてTwitterの問題はまさにここにある。ユーザー数が鈍化すると、“ネットワーク効果”(ユーザー数が大きくなるほど、サービス全体の価値が高まる)が薄れる。ネットワーク効果はFacebookやTwitterなどのソーシャルサービスや、WhatsAppやSnapchatなどのメッセージサービスに共通した特徴だ。新規ユーザーが減る、あるいはそっぽを向くようになることは、ネットワーク効果を特徴とするサービスにとって先細りの兆候となる。

 MAUで言えばFacebookが13億2000万人。Twitterは大きく水をあけられ、Instagram、LinkedInなどと第2グループを形成している。ソーシャルサービスではFacebookの強さが目立つが、それぞれのサービスは特色が異なる。単純なユーザー数増加に頼れなくなる中、Twitterがどのような戦略でFacebookと単純に比較されない自社のポジションを確立していくのだろうか――。

岡田陽子=Infostand