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Chromebook対抗に乗り出すMicrosoft、「生産性とプラットフォーム戦略」

サービスで勝負できるのか?

 Microsoftの「生産性とプラットフォーム企業」「モバイルファーストとクラウドファースト戦略」はアプリケーションにも展開される。Microsoftはドル箱製品Officeのクラウド版であるOffice 365や、オンラインストレージのOneDriveなどクラウドサービスに注力している。Nadella氏が打ち出す「生産性」分野であり、OEMに呼びかける安価なノートPC戦略では、OSだけではなく(ChromebookがGoogleサービスの入り口であるのと同様に)サービスの入り口にしたいところだ。ZDNetはこの戦略について、「Microsoftは自社のエコシステムの方が優れていることを示さなければならない」と課題を挙げる。

 Thurrott氏はさらに突っ込み、「Microsoftが、競合するプラットフォームの1つとしてChrome OSを受け入れ、その上で動くアプリを提供したらどうなるか」と提案する。MicrosoftはすでにChrome向けに一部のアプリを提供しているが、現在のアプリではオフライン機能がない。オフライン機能を持つことが“ゲームチェンジャー”になるかもしれない、とThurrott氏は考えている。

 モバイルとクラウドの時代となり、OSのシェアが14%となったMicrosoftは、これまで受け身で対策を講じてきた。その最たるものが4月に打ち出した、画面サイズ9インチ以下の端末へのWindowsライセンス無償化という方針転換だ。紆余(うよ)曲折を経た「Office 365」も「Google Apps」などのクラウドサービスが無視できなくなったため、と言えるだろう。

 1万8000人規模のリストラは、このWPCの最終日に発表された。Nadella氏の基調講演の翌日であり、同氏は従業員にあてたメールで、モバイルファーストとクラウドファーストをはじめとした戦略の実現に向けた組織作りを進めると説明している。

 のろしは上がった。あとは実行だ。

岡田陽子=Infostand