Infostand海外ITトピックス

クラウドのメイントレンド? 評判のDockerをGoogleが本格サポート

「Googleの秘密兵器」

 Docker Con 14では、多くのベンダーが改めてDockerのサポートを表明したが、その中でも特に注目を集めたのがGoogleだ。イベント2日目の6月10日、Googleのインフラ担当ヴァイスプレジデントのEric Brewer氏が基調講演を行い、同社のPaaS型サービス「Google App Engine」でDocker1.0をサポ-トすると発表した。

 Googleは昨年末、IaaSの「Google Compute Engine」の正式サービス化の際、合わせてDockerのサポートも発表しているが、今回、対応をGoogle App Engineにも広げた。これによって、App Engineを利用する開発者は、ユーザー管理型の仮想マシン、Managed VMs内で簡単に、Dockerのコンテナを作成・ディプロイができるほか、既存のDockerコンテナも利用できるようになるという。

 Brewer氏はWired.comのインタビューで「GoogleとDockerは極めて自然にフィットする。両者はアプリケーションがどのように構築されるべきかで同じビジョンを共有しているのだ」と述べている。Googleは自社内でもLinuxコンテナを利用しており、「Omega」と呼ぶ独自のコンテナ管理ツールでサービスを運用してきた。そうしたノウハウを生かして、より一般の開発者が使いやすくするという。そのカギがGoogle App Engineサポートに合わせて発表したオープンソースのDocker向け管理ツール「Kubernetes」だ。

 Kubernetesはギリシア語で「水先案内人」「操舵手」を意味する(発音はkoo-ber-nay'-tace)。Googleの開発者ブログでは「Kubernetesは、無駄のないパワフルなオープンソースのコンテナ管理ツールで、開発者はコンテナをマシン群にデプロイして、稼働状況管理やレプリケーションなどの機能を提供。さらに、コンテナとコンテナの間、外部との接続なども容易にする」と説明している。

 つまりDockerコンテナをクラスタリングして、多数のマシンでアプリケーションを稼働させるシステムを運用できるのだ。Wired.comは、これを「Googleのクラウドコンピューティングにおける秘密兵器」と呼んでいる。

(岡田陽子=Infostand)