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中国政府調達から「Windows 8」締め出し その狙いは?

技術に及ぶ両国間の対立

 中国政府のWindows 8閉め出しは、激化する米中関係の対立とタイミングが重なる。米国では米下院の委員会が2012年に発表した、米国政府や企業に対し、中国企業Huawei TechnologiesとZTEのインフラ製品を利用しないようにという勧告が話題となった。

 Washington Postは、元職員のリークにより明らかになった米国家安全保障局(NSA)の監視プログラムを受けて、「中国政府は海外のIT企業への依存を減らそうと取り組んでいる」と記す。実際、IBMやCisco Systemsは中国市場での売上げが減っているという。

 同紙によると、Windows 8はユーザーのシステムを定期的にモニタリングしているという指摘もある。中国工程院のNi Guangnan氏は、Windows 8は安全ではない技術構造を持ち、内蔵するアンチウイルスプログラムが常時ユーザーのコンピューターをスキャンしていると指摘。Windows 8はユーザーのモニタリングと言う点で最高のシステムなのだ、と述べている。

 なお、米国は中国の解放軍関係者5人を産業スパイ容疑で訴追したが、これは中国の調達局がWindows 8を禁ずる掲示をした後の19日であり、Windows 8禁止とは直接関係ないとされている。

岡田陽子=Infostand