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攻めに出たDropbox アプリスイート戦略は成功するか?

Facebookの買収ターゲットに?

 Dropboxには競合が多い。Boxのほか、Google、Microsoftなどもそれぞれオンラインストレージを提供している。先のWang氏は、「今後36カ月間、Box、Egnyte、Dropbox、それにOffice 365とOne DriveのMicrosoft、Google DriveなどがエンタープライズユーザーとIT管理者のハートを射止めようと戦いを繰り広げることになる」と予想するが、これらのベンダーに加え、Facebookの名も挙がっている。

 Wall Street JournalはCarouselによって、Facebook傘下のInstagramと競合関係になると予言する。Financial Timesはさらに踏み込み、「(DropboxのCEO)Houston氏はFacebookの新しい買収ターゲットになったのではないか」と占う。

 一方、Facebookと競合する可能性についてHouston氏は「(FacebookとDropboxの)製品は常にオーバーラップしている。だが(Carouselが)Facebookの利用に影響するかというと、そうでもない。全く異なるものであり、われわれはすべてを保存できるギャラリーをだれも作っていないと感じたから(Carouselを)構築した」とコメントしている。なお、Houston氏とFacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏は友人であり、発表前にCarouselを見せていたほか、発表イベントにZuckerberg氏も姿を見せたという。

 FacebookとDropboxはアプリスイートというアプローチをとる点でも似ている。Houston氏は発表の際、1つのアプリからアプリスイートに拡大する自社の戦略を「これまでは1つの部屋でなにもかもやっていたが、キッチンがあり、リビングがあり、寝室がある。Dropboxでも、これと同じことが起こっている」として、「A Home for Life(生活のためのホーム)」とたとえたという。だが、RecodeはこのDropboxのビジョンを「とてもあいまいだ」と批判している。

(岡田陽子=Infostand)