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Windows無償化でモバイルに挑む Microsoftのデバイスとサービス戦略

Nadella新体制のMicrosoft

 TIMEはBuildカンファレンス全体でMicrosoftが発したメッセージを「“Microsoft Everywhere”が戻ってきた」とする。“Microsoft Everywhere”は2013年の広告キャンペーンで用いられているが、実は1990年頃のIBMとの戦いでMicrosoftの戦略を形容する言葉として用いられていたものだという。

 Windowsの一部無料化、Universal Windows Appsなどの戦略から新たな「”Windows Everywhere 2.0”攻撃がはじまった」とTIMEはみるが、その先行きを楽観はしていない。デスクトップでは消費者はWindows 8に冷ややかな反応を示し、モバイルではiOSとAndroidが主流となっている。そして、すべてにWindowsをという考えそのものにも難色を見せる。「無理矢理タブレットにWindowsを搭載することは違う」とする。

 新CEOのSatya Nadella氏はイベント中の質疑応答で、ビジョンを「モバイルファースト、クラウドファースト」としながら、「挑戦者のマインドでイノベーションを行う」と決意を語った。単に既存ベンダーが最新版を出すのでは異なり、「あらゆる面でイノベーションを試みている」(Reuters)という。

 ほかにも、Nadella氏の下でMicrosoftは「Office for iPad」を発表し、「OneNote」を無料にするなどソフトウェア面でも改革を進めつつある。Nadella体制本格始動といったところだろうか。

岡田陽子=Infostand