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AppleがTeslaを買収? 次の“Big Thing”

共通の課題:リチウムイオン電池

 これらの中でも可能性が高そうな予想として、Teslaが進めている新工場に関係した協業が浮上している。

 The Motley Foolは、両社の共通点として「リチウムイオンバッテリー」を挙げている。そして、Musk氏が昨年11月、「年間50万台の電気自動車を製造するなら、同じ数のセルバッテリーが必要だ。これは今日製造されている全てのリチウムイオン電池を上回るかそれと同じ数が必要だ」と述べたこと、また同社が“Giga Factory”と呼ぶ大型工場構築を計画していることを紹介する。この工場は世界中の全リチウムイオンバッテリー製造に匹敵する規模を持ち、環境にも配慮するという。これにAppleが出資すれば大きなメリットがある、と記事は予想。そして、買収の憶測については「古い情報」として「Muskはもっとスマートだ」と否定している。

 Bloombergは「Teslaの成長を阻む最大の要因はバッテリー供給だ」とする業界アナリストの意見を引用する。Teslaが有するリチウムイオンバッテリーの性能データは世界最上級であり、ラボは業界でも羨望の的という。同じ悩みを持つAppleがTeslaとバッテリーで手を組みたいとしても、不思議はないという。

 Apple Insiderも賛同する。Teslaはバッテリー充電の高速化、取り換えできるステーションなどの対応策に取り組みながらも、バッテリー不足の問題が残っているとしてGiga Factory構想を進めていることに触れる。一方で、Appleも「iWatch」で太陽光ベースのワイヤレスチャージ技術を検討しているとのうわさがあり、高度なバッテリー技術の開発を前進させているという。iOSデバイスとTeslaの統合強化も考えられるが、「AppleはTeslaの独自バッテリー技術に興味を持っている」とApple Insiderは予想している。

(岡田陽子=Infostand)